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あの人再び

頭部を噛み砕かれたグリフォンは二度と鳴くことはなくバランスを崩し倒れた。

血も結構散らばっててグロイな、心臓の弱い人が見たらただじゃすまなそうだなぁ

あ、そうだ。親父さんは……こっちを見て口をあんぐりとさせてるな


「親父さん、終わりましたよ。」

「あ、兄ちゃんなのか?」

だからさっきからそう言っているだろうに……ポンポン姿を変えてるから仕方ないのかもしれないけど。

「しかし驚いたぜ……そんな力があるんなら俺の装備必要ねぇじゃねぇか。」

「いやいや、確かにこのスキルは強力ですけどこればかり頼れるほど甘くないでしょうから、闘える手段を増やしたいんですよ。」

実際ユニークスキルを封じるユニークスキルが無いとは限らない。

もしそんな相手に出くわしてしまった場合その時こそ人間の体で闘わなければいけないだろう。


「しかしこのグリフォンなんで脱走なんてしたんだろ?」

「鍵を閉め忘れたか、それとも……」

そこで親父さんの顔は少し渋い表情となる

「誰かが意図的に逃がしたか、だな。」

この城下町の事はよく知らないが、犯罪集団とかでもいるのだろうか。

と思ったらルナを追いかけていた輩もいたな。


「というか兄ちゃんいつまでその犬?の姿なんだよ。まさか元の姿に戻れないとかじゃねぇよな?」

「そんなことないですよ……ほら。」

俺は"変態"を解除し、元の人間の姿へと戻った。

よしよし、レザーアーマーもショートソードも健在だな。

もしかして制服だけが特別でこの世界の装備は"変態"すると装備がロストしてしまうんじゃないかと思ったが杞憂だったようで安心した。


俺が元の姿に戻ったことで親父さんが安心したように笑う。

「ほー、ちゃんと戻れるんだ「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!???」

親父さんの声を遮りすんごいうるさい声が俺と親父さんの耳を襲う。

っていうかマジでうるさい!


声のした方角を見るとどこかで見た顔が……そう、確かあれは俺がこの世界で最初に見たああああああああああ!?

「おお、おま、おまえ、おまえぇ!?確かトーヤ、そうトーヤだ!お前があの犬の正体だったのかあああああああああああああああ!!!!」

赤い髪の女騎士、オリアンじゃねぇか!!


まさかあの人この街の騎士だったのかよぉ!?

オリアンは俺に急接近し胸倉を掴むや否やがくがくと揺さぶってきた。

「トーヤぁ!お前があのワンコの正体だったのか!そうなのか!吐け!吐くんだトーヤぁ!!」

何でこの人こんなに必死なの!?

痛い痛い怖い!ってか親父さん止めて!なに呆然としてるの!!

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