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影の犬

「GIA……!!!」

ウサギである俺をにらむグリフォンの目の色が変わった気がした。

それはようやく俺を餌ではなく敵として認めたという事だろうか。

だったら嬉しいねぇ


グリフォンは大きく飛び上がり翼を羽ばたかせ強風を生み出した。

「うわっ!」

今の俺の体重はとても軽いからそりゃあもう吹き飛ばされるわけで、すぐに空に舞いあげられた。

俺が先ほど跳んだ高さより高く飛ばされた。

そこら辺の家よりも高く飛ばされ、周りが一望できる。


数か所から轟音だったり砂煙だったりが舞い上がってるからあちらこちらでもグリフォンが脱走しているのか?

だとしたら結構な騒動だな。


まぁ俺もその一端に関わってるんだけど

さて、グリフォンは俺よりも高く飛んでいるが、これはあれだな。

鷲が獲物を取る際にする……

「GYAAAAAAAAAAAA!!」

急降下の衝突だ!


空中では受け身は取れないとはよくバトル漫画とかでは見るが俺は違う

"変態"を発動し鷲へと姿を変え、奴の攻撃をすんでのところで躱した。

うん、結構ギリギリだった。


だって普通の鷲が時速180kmで飛ぶなら奴の速さはそれ以上だ。

あんな突撃されたら弱い生物はミンチになってしまうだろう。

だから――俺は姿をイワトビペンギンへと変え、魔法を唱えた

「"氷の棘(アイス・ソーン)"」

空気中の水分を凍らせ、氷で出来た棘を作り出しグリフォンの翼に絡みつかせた。


「GU、GYAAAAAAAAAAAAAA!!!」

奴は痛みからか冷たさからか苦しさからか分からないが明らかな叫び声を上げた。

これで飛べないだろう……ふっふっふ。

まぁペンギンである俺も飛べないんだけどね!!

「うわああああああああああああああああ!!」

重力に従い、真っ直ぐに落ちたが安全に完全に無傷で着地することが出来た。

いや、本当は怖くて"変態"するの忘れていたんだけど結果オーライだ。


さて、あいつは今飛べない。

飛べないけど……アイツ鳥という訳じゃないからライオンみたいに走れるんだったわ。

「GYAAAAAAAA!!」

必殺の突撃が封じられたから今度は前足の爪で攻撃か。

まぁ後はそれぐらいしか無いよな、魔法も使ってこないし。

しかしこの爪も割と強力で避けるたびに地面に穴ぼこが出来てしまう。


こりゃあ道を整備する人大変だな、さっさと終わらせておこう。

俺は再びミニチュアダックスフンドに"変態"し、面白いスキルがあったので発動させた。

"愛玩の瞳(ピュア・アイ)"

簡単に言うと可愛らしい眼で相手を虜にするという恐ろしいスキルなのだ!

自分でやるのは少し恥ずかしいが効果は大きい。

現にグリフォンの攻撃の手が止まりその目は俺の目を食い入るように見ている。


"愛玩の瞳"の効果はすぐ切れてしまうだろう。

だからさっさと俺はとどめの魔法を行使させてもらう。

「影よ、犬歯をもって喰らえ"影狗の牙シャドウドッグ・ファング"」

俺の影が蠢き、平面的な影が盛り上がり巨大な犬の顔と化した。

影は大きく口を開き、未だ魅了状態にあるグリフォンの頭をガッツリとかみ砕いた。

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