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小動物は弱くないんです

グリフォンは啄むように俺に向かって嘴を叩き込むが"直感"による反応速度で難なく避けた。

そしてダッシュでグリフォンの懐に潜り込み

「オラァ!」

貰ったショートソードを早速叩き込むが……

「あ、あれ?」

おかしいな、手応えが全くないしグリフォンも痛そうな顔も鳴き声も出していない。

「馬鹿野郎!だからそれは本当にただのショートソードって言っただろうが!」

店から顔を出した親父さんから当たり前のことを言われた。

そうだよこれ、ただのショートソードだ!

弱いモンスターとか魔獣なら斬れるんだろうけどやっぱり斬れない奴いるよなそりゃあ!

目の前とかね!


「GYAAAAA!」

前足を叩き込まれたが、腕で何とかガードし、踏ん張ることで何とか吹き飛ばされることを免れた。

普通ならこれ骨折してるよな、でも俺の腕、何もなってないな。

もちろん痛みはあるんだけどな!


「兄ちゃん!もう十分だからさっさと下がれ!」

「すんまっせん!ちゃんと闘うんで!もうちょっとチャンスください!」

「はぁ!?ちゃんとって何を言って……」

親父さんが言いきる前に俺は"変態"を発動させた。

ああいった手前、有効打があるのにすごすご逃げるのはプライドが許さない。


人間状態では今の段階では勝てる気がしないのは事実

ならば動物になるしかないじゃない!

俺がまず変身したのはこの世界で初めて"変態"したあの動物


ミニチュアダックスフンドだ。


「何だあの犬……?って兄ちゃん!?オイ!兄ちゃんどこ行った!?まさか喰われたか!」

いや、親父さんキョロキョロ見渡さないでよ、俺喰われてないから。

「親父さん、オレオレ、俺ですよ。」

「うぉ!犬が喋った!!ってその声、兄ちゃん!?」

そんな素っ頓狂な声上げなくても……仕方ないのかもしれないけど。


「じゃ、ちゃんと闘うんで逃げてください!」

グリフォンも姿を消した人間の俺を探しているようだが、そいつはもういないんだよなぁ

ふと俺に目を止めるとその嘴の端がクイッと上がった気がした。

あ?こいつ笑ってる?


確かにこの姿はお前からは酷く小さく見えるだろうがよ、動物それぞれにスキルを持てるようになった以上、お前に遅れなんて取らないんだよ!

「"狩猟体勢ハンティング"」

俺がスキル名唱えるとグリフォンは目を見開く

今グリフォンの目からは俺の姿が掻き消えた様に見えるだろう。

だが俺は一歩も動いていない


俺が発動したスキル"狩猟体勢"は簡単に言うと敵から見た俺への認識を薄めるもの……言ってしまえばミスディレクションのようなものだ。

俺はグリフォンが俺を見失っている間に一気に駆け出す。


出店の看板から看板へと飛び移り徐々にグリフォンの頭の高さまで飛び上がる。

やつはまだ俺の姿を見失っている。

まぁもう地上じゃなくて空中にいるんだけどな。


そこで俺は俺はミニチュアダックスフンドへの"変態"を解き、次の姿へと"変態"する。

その姿は長い耳が特徴的なあの動物

ウサギだ。


もちろん姿を変えたことで"狩猟体勢"も同時に解かれたのでグリフォンは俺の姿を捉える。

いやまぁ、さっきとは別人……いや別個体なんだけどね。

だが気づくのが遅かったな、すでに俺は攻撃態勢に入っている。


ウサギの特徴は全力で走れば時速80㎞も出るその足だ。

まぁ実際のウサギはその速度で走ったらもうポキッといっちゃうらしいけど俺のこのウサギは俺の体を基本にしているためか、そんな心配はない。

俺は縦にくるくると回転し奴の背に強力な蹴りを叩き込んだ。


「ぃよいしょー!!」

ズドォンと銃のような音がしたぞ。

「GIAッ!!?」

小さく呻き声を上げたがまだ倒し切れていないな。

流石グリフォン、タフだなぁ……

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