鬼種の反応
「どうも、こんにちは。」
挨拶は大切だ、どこかの誰かが言っていたから俺も実践する。
「あ、はい。こんにちは……?えと、今日はどのような御用ですか?」
俺の挨拶に受付のお姉さんは戸惑ったが、すぐに立ち直る。
ここら辺はやっぱり慣れか。
まぁカタラとかいるんだし、こういうギルドって癖の強い奴いっぱいいそうだから慣れそうだな。
「ここって魔物の核の換金が出来ると聞いたんですが。」
ルナが私の事を信じないのかとばかりに手の甲を抓るがもしも違うなんてことがあってはいけない。
「はい、ここで間違いありませんよ?どのようなものでしょうか?」
よしよし、合ってたな。
俺はポケットに手を突っ込み鎌蜘蛛の核を取り出す。
「おや、これは中々……大きさもそれなりですが純度もあります。どのような魔物を倒したんですか?」
へぇ、大きさはともかく純度とかも売値に関わるのか。
「あーっと、鎌蜘蛛って奴を。」
「……鎌蜘蛛を?」
信じられないとでも言いたげな受付嬢の目線。
いや、嘘じゃないし……あれは確かに鎌蜘蛛ってルナもバズも言ってたし。
「トーヤ、言葉が足りない。正しくは鎌蜘蛛・鬼種。」
ルナがそう言った瞬間、ギルドの中がざわっと騒ぎ出した。
え、何。鬼種ってそんなに重要な要素なのか?
「なるほど、鬼種なら納得がいきます。ちなみにお2人が倒したので?」
そうそう、あれは俺とルナでようやく倒すことが出来たんだ。
ルナがいなけりゃ俺はレベルアップの前に死んでいたはずだしな。
「あぁ、そう「違う。トーヤが一人で倒した。」
いやちょっとルナさぁん!?
さっきより騒ぎが強くなったじゃん!
「いやおいルナ、あれはお前もいたから倒せたんだろう?」
俺はルナの狼耳に耳打ちをする。
ルナもそれに合わせて小声で
「私は一回も攻撃していない。だからあれはトーヤの手柄。」
「いやでも。」
「トーヤの手柄。」
あー、これは譲る気が無いな。
「……俺が倒しました。」
俺は苦笑い、受付嬢に話を戻す。
「そ、そうですか。それは凄いですね……」
鬼種?と言うのを一人で倒すと凄いのか。
よく分からないがビレッジ村を滅ぼしかけるような魔物だからか?
これじゃまるでビレッジ村が凄いみたいな言い方だな。
「それじゃあこちらがこの核の金額ですね。」
そう言い受付嬢は結構大きな布袋を取り出し受付カウンターの上に置く
結構重量な金属音が聞こえたからこれは期待してもいいだろう。
「ところで、お二方は冒険者登録はなされてますか?」
あ、そう言えばギルドと言えばそう言うのもあったな。




