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序章

その昔、一冊の魔導書を巡り戦争が起きた。

 その魔導書を手にした者は、無限を操る力……インフィニティ・ドライブを得られるという。

時の権力者達は誰もがインフィニティ・ドライブを手に入れ宇宙までも支配しようと目論み、その結果、世界は腐敗していく。


 そんな時、己の欲望、野望の為に戦争を起こした人間に制裁を下すため天界より天使の中でもよりすぐれた者だけで編成された軍隊、エルハザード軍が現れた。

エルハザード軍は地上再生を任務とし、人間達を地上より排除しようとしていた。

だが、天使達の行動をよく思わなかった者達もいた。

悪魔の軍団……闇十字軍 レリウーリアだ。

 地上において天使対悪魔の戦いが勃発した。


しかし、数では圧倒的に有利だったエルハザード軍にレリウーリアは苦戦を強いられた。

その状況を打破すべく、両者は特殊魔力で創造された武器を手に入れた。

名匠ダイダロスが生み出した武器だ。天使にはイグジストと呼ばれる武器を四つ。

既に上級悪魔しか残っていなかったレリウーリアにはロストソウルと呼ばれた武器を十四、渡された。


私はその戦いの結末を知らない。与えられた役目は、封印された魔導書の番人として永遠に生き続ける事。

いつか心正しき者が現れた時、無限を操る力……インフィニティ・ドライブを託せる様に封印を解く『鍵』をあの方は創られた。そしてその『鍵』を万が一にも悪しき者に渡らない様、『鍵』を八つの石に砕いて世界中に飛ばした。

自らが書き上げたたった一冊の書物の為に戦争が起き、罪のない人々が死んでいった事……悔やんでも悔やみきれない思いだったに違いない。

だからあえて心正しき者が現れても安易に封印が解けない様に『鍵』をバラバラにしたのだ。

 『鍵』はマスターレジェンドと名付けられ、砕いたそのカケラをフラグメントと名付けた。


私は一体どれだけの時を生きなければならないのだろうか…?

もうじき千年が経つ。まだ心正しき者は現れない。

地上は再び人間に支配され、天使も悪魔も姿を消した。

 懲りない人間達は幾度も戦争をしてきた。

私は疑問を捨てきれずにいる。あのお方の言う通り心正しき者がインフィニティ・ドライブを 手にしたとしても、果たしてその者は世界を平和に導いてくれるのだろうか?

今はその疑問が解ける事はないだろう。

ただただ信じるしかないのだ。あのお方……オノリウス様のお言葉を。

 オノリウス様が書き上げた魔導書は後にオノリウスの魔導書と呼ばれた。

オノリウス様は、戦争が起きたのは自分の責任だと言って姿を消してしまった。

彼は偉大なお方だったが所詮は人間。

不幸にも魔導を持ったばかりにその人生を迫害と差別で塗り固められた哀しい人間なのだ。

私はオノリウスの魔導書を護る為、永遠に生き続ける魔法を施された。

 肉体は朽ち果て、魂だけの存在となった。

 この果てしない物語を終焉に導いてくれる者は本当に現れるのだろうか?

千年という時間は私に疑問しか残さなかった。

私は常に傍観者でいなければならない。

だが願わくば、この時代で物語が終わる事を祈ろう。

さあ、そろそろ始まる……新たな戦いの時代が……


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