第一話
俺は勉強した。
勉強した。
勉強した。
吐血した。
嘔吐した。
殴られた。
勉強した。
そして念願だった端山高校に入学した。昨年までは女子高だったこの学校が今年から共学になったのは、何でも親への受けが良くなったからそうだ。
なんだそりゃ? って思いもあったけど、そんな事は女の子が一杯いるフヘヘッな環境を見たことでどうでもよくなった。
男臭が半端なくて某熱血漫画を思わるような男子群れの教室でもなく、世紀末に出て来そうなアジャパァ! って殺されそうな巨漢もいない。
ああ……。楽園はあったんだ……。本当に、今なら波○拳が出せる気がする。出せないけど、そんくらいテンションが高まっているってことだ。だから止めろ西嶋君。中学の時に君のあんパンを隣のクラスのジェリド君(顔と声があれに似てたからジェリド君)にあげたのは謝るから。毎晩、俺の夢でコサックダンスで追いかけてくるの止めて!
なにはともあれ、今日から俺は共学となったこの端山高校の生徒だ。黒と赤にまみれた過去とはおさばらだ。俺の人生はこれよりピンク色と化すのだ! 俺は、もはや自分でも制御できないほどに舞い上がっていたため、奇病であるジャイロレボリューション(回転歩行)で登校した。周りの奇異な目も、今の俺には通用しない! ただ、犬に噛まれたのは痛かった……