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第十四話 おく に もぐろう !(2)

 何故かエラーで十四話に入れられなかった部分です。

「……………………見ていたのか?」

「そりゃもう……バッチリ?」

『どうしたのよー? いきなり目と耳塞がれたと思ったらガキ三匹来てるし』

「ん? 終わったのか?」

 ステラとライオの呑気な声が、ドーム内に響く。

「「……………………」」

 黙っていてくれないか?

 おうその方が良さそうだな。

 無言のアイコンタクトが通じた瞬間だ。シドがぱっと手を離す。

「うむ、終わったぞ」

「しっかしリィンって、すげぇ便利な魔法使えるんだなぁ…………」

「ははは、お前ぁ凄いよ」

「どうも。伊達にさすらっていた訳ではないからな」

 笑顔がぎこちないものになっていないか、自分で確かめながら歩く。

「それでは、出口を探すことにするか」

「でもよ、そんな便利な魔法あるんなら、それで姐さんのとこに俺らを転送したらいいんじゃねぇ?」

「それは不可能だ。通信具も一緒に移動することはできないからな」

「そっか」

 ちぇーと呟くライオに内心ほっとする。

「ではギギ、その子供達を頼んだ」

『おう。島に連れて帰るぜ』

「うむ。扱いは孤児と同じでいい」

 通信を終えて、待ってくれている二人の横に並ぶと、改めたようにライオが顔を歪めた。

「まあその、なんだ。……(ほこ)は、収めてやるよ」

「ありがたい」

 ライオが子供達に殺意を向ける気持ちも理解できる。だが、リィンがそれを容認してしまうのは、魔王という立場であるが故に、無理なのだ。

 それに、リィンは孤児としてギギ達鳥族に引き取られた。同じように孤児となるだろう子供達に同情した、それも否定できない。

 話題を、わざと強引にずらす。ライオが話しやすい方に。

「それで…………頭と数名が、こちらに潜伏しているのだな」

「ステラぁそう言ってたな」

「多分さっきのガキ共が育ててた子供だろ。…………このまま待ってたら、そいつらのこのこと来るんじゃねぇ? ここに」

 三人の視線は、自然に入り口を向いた。

「有り得ない話ではない、が…………ひとつ気になった事がある」

「何だよ?」

「何故、この町に来てからは、人間を食べていない?」

 往来の激しい通りだ。国も誰がいるかなど把握していないだろう。

 人が何人消えても、気付かれないだろうに。

 シドが腕を組んだ。

「確かにそれぁ不可解だな。…………誰か狙ってる奴でもいんのか?」

「だとしたら…………やっぱり強い奴か」

「そうかも、しれない。それから」

 闇で天井を覆った時に気付いたことが、ひとつだけある。

 リィンは洞窟の壁に近付き、刀を抜いた。

「出口だ」


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