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プロローグ
〝―あぁ。なぜ俺はここまで必死なんだろう。
そうか、あの時誓ったからだ。
だが、何で俺なんだ?〟
フラ…。そこから先は覚えていない。気がつくと賊はもう人の姿をしていなかった。―
「うわぁっ!」
ドサッ。また落ちた。つくづく俺は間抜けだと思う。しかも、ここ最近同じ夢を見ているような気がする…。でも、思い出せない…。
「ってぇ…。ってああぁぁあぁ~!!!!」
…八時五分。俺たち使用人が起きなければいけないのは八時。つまり、五分過ぎている。ということは、今日も朝食抜き。
…これで一体何度目だろうか。昨日直したはずの目覚ましがまた壊れている。たぶんあの双子の仕業だ…。
「はぁ。まあ仕方ない。そんなことより我が姫君を起こしに行かなければ。」