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陰謀論と神秘学

一方で同時に、江学勤教授の思想は、極めて陰謀論的であると同時に極めて神秘学(occult)的だ。その点は、多くの視聴者を困惑させている。


例えば、全世界の超富裕層と独自の人脈を形成しつつも不可解な死を遂げたジェフリー・エプスタインや、ドナルド・トランプの義理の息子でユダヤ系であるジャレッド・クシュナーについて、東西の諸国をまたがる利権の主体だと見なし、イスラエルや米国やロシアの政権などに独自のパイプを持つ組織としてハバド・ルバヴィッチというユダヤ教の一派に注目する。


そして、ユダヤ教的な秘密結社が経典に予言された最終戦争によってユダヤ人のための救世主の出現を狙っているほか、キリスト教シオニズムの秘密結社らは、パレスチナのガザ地区における虐殺などを深化させることで意図的に反ユダヤ主義を扇動し、イエス・キリストの再臨を狙っているとする。今回のイラン侵攻のみならず、ここ数十年で米国が行ってきた対外戦争の多くは、実は資源目的で説明しきれるものではなく、そういった終末論(eschatology)という因子を導入しなければ、モデルが現実に近似しないと彼は訴える。


私は個人的には、彼のこういった陰謀論的で神秘学的な言説の事実性や正当性について、何の確信も持てない。彼は、すでに第三次世界大戦がはじまっていて、数十年かけて人類の9割以上が死ぬことになると予言しており、彼自身が終末論的な預言者的性格を持っている。そのように極端に悲観的な世界観は、彼の内面的な世界観の投影にすぎないのではないかと疑うことはできる。


私は、彼の予言すべてが的中するのかどうか、わからない。しかし、仮に今後は何一つ的中しなかったとしても、彼の言説には世界一の価値がありつづけると深く信じている。なぜなら、主流言説の政治的性質を相対化し、近代的な利己主義が実は庶民にとって合理的ではない事実を見抜き、「無防備なほど」誠実であれと訴える彼の思想は、人類にとって最も重要な教えの一つだと確信するからである。

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