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幼なじみと体育祭の放課後

無事に借り物競走を終えて、体育祭も終わりが近づいてくる。

部活動リレーでは、佐々木と谷本のデットヒートが見れて面白かったし、最後の色別対抗リレーでは、青原さんがかっこよく抜いていく姿も見れた。


競技が全て終わり、閉会式となる。

会長や校長先生の話があり、国旗、校章旗を下ろす仕事を終え、体育祭が終了する。


速やかに片付けが始まり、生徒会のメンバーもテキパキと動いていく。文化祭同様、片付けは全校生徒で行われるため、準備に比べれば楽である。

あっという間に片付けが終わり、帰りのホームルームのため、生徒がクラスへと戻っていく。


俺はと言うと、生徒会テントに置いていた道具を生徒会室に持って帰っていたため、ちょっと遠回りだ。


朝と同じようにこっそりとクラスに戻ると、ホームルームは終わりに差し掛かっており、あとは挨拶だけとなっていた。


「遅かったね」

「ちょっと片付けがあったからな」

「ちなみにこの後は?」

「生徒会の方の反省会的なのと、お疲れ様会みたいなのがあるな」

「そっか、なら大丈夫かな?」


なんの事か聞こうとしたが、帰りの挨拶のタイミングと重なり、聞きそびれた。

とりあえず生徒会室に戻ろうかと、荷物を持って移動しようとしていると、男子数人に囲まれた。


「橋崎!今日、これから体育祭おつかれってことで、打ち上げいくんだけど、来れるか?」

「い、いや、まだ生徒会が……」


突然の勧誘に驚きながらも、生徒会の仕事があることを伝えて逃れようとする。


「大通りの方のレストラン行くんだ。後から合流でも大丈夫だぞ」

「わ、割と時間かかるだろうし、残念だけど、遠慮させてもらおうかな……?」

「うーん、仕方ないか。来れそうならまた連絡してくれ〜!」

「あ、あぁわかった」


な、なんだったんだ?今までこんなのなかったし、妙にしつこさを感じたような。


「橋崎くん、ちゃんと断れた?」

「断ったけど、びっくりしたわ」


俺の周りの男子が居なくなったのを見計らって、青原さんが戻ってきた。

周りに聞こえないように、小声で伝えてくる。


「香織ちゃんの影響だよ。借り物競走で2回も借りちゃったから目立ったし、それがなくても美少女だから、みんな興味津々」

「えっ、そんなにか」

「最後話してたからって私たちに聞いてくるレベルだよ。あっ、安心してね。詳しいことは何も話してないから」


改めて香織の影響力に驚愕する。


「そんなわけで、私達も打ち上げ不参加」

「なんか悪いな……」

「気にしないで。代わりに私たちだけで集まろうって話してるから。ボーリング行った時のメンバーになると思うから、そっち終わったら連絡ちょうだい」

「わかった。ありがとな」


そう話をした後、俺は教室を出て、生徒会室に向けて歩き出す。


「お疲れ様です」

「お疲れ。借り物競走は俺の勝ちだったな」

「3位おめでとうございます」


生徒会室にはいると、もうだいたいメンバーは揃っており、会長が答えてくれた。

反省会も始まっており、ホワイトボードに反省点が書き出されていた。

俺も反省会に参加し、しばらく経ってから顧問の先生がちょっとしたお菓子を手に生徒会室にやってきた。


「はい、お疲れ様。今回もよくやってくれました」

「ありがとうございます!」


顧問の先生が来たことで、反省会が少しずつお疲れ様会に変わっていき、話題は先輩の話になった。


「俺たちの仕事はこれで終わりで、生徒会に顔を出すことも無くなっていくけど、なんかあったら、いつでも呼んでくれ。副会長は難しいかもだが、誰が1人くらいは助けれるはずだ」


「もちろん、俺はいつでもいいからな」と付け加え、笑う会長。副会長はこれまでも、難関大学に向けて勉強をしながら活動してくれていたが、これから更に本腰を入れての追い込みとなるので、納得である。


体育祭で3年生は生徒会卒業となり、これからは俺たち2年生と1年生で何とかしていかなければならない。

会長たちがいなくなり、生徒会室が寂しくなるのはもちろん、合計5人となるため、仕事も大変になっていくため、会長の言葉は心強いし、ありがたい。


後輩全員で3年生にお礼を言って、お疲れ様会も終わりを迎えた。

先輩達とは、卒業式の後、少し会う時間を貰うはずだが、なんとも寂しい気持ちになる。

少ししんみりとした雰囲気の中で、お開きとなる。

俺はもう一言、先輩方にお礼と挨拶をして、見送ってから、生徒会室を出る。


学校を出て、スマホを取りだし、誰が1人は気づくだろうと例の遊びに行ったメンバーのグループに連絡を送る。


『今終わって、学校出たとこだ。どこ行けばいい?』


しばらくして返信がくる。


『ショッピングセンターの近くのファミレスで話してるよ〜。待ってる』


1度香織と一緒に行ったことのある、学校と自宅のちょうど半分辺りにあるショッピングセンターの近くみたいだ。


だいたいの時間を伝え、急ぎ足で向かい始めた。

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