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中間テスト本番と結果

あれから月曜、火曜と勉強を続け、中間テストを迎えた。

俺の学校は、1日に2〜3教科のテストを3日間行う形式だ。




初日、2日目、3日目とテストを受ける。


これまで、お世辞にもいい出来とは言えない点数しか取ったことのない俺にとって、解答用紙の空欄を全部埋められ、その上で合っていると自信を持てる回答の方が多いのは、初めての経験だった。


3日に渡る中間テストを終え、俺は、テスト返却を楽しみに思えていることに、驚いていると、谷本が話しかけてきた。


「橋崎、今回は再試何教科になりそうなんだ?」


谷本め、バカにしやがって……

テストが返ってきたら覚えてろよ?


「結構頑張って勉強したからな。多分、大丈夫だと思うぞ。」

「勉強ってのは、やり方が大事だからな。闇雲にやってても意味ないんだぜ?」


お前もそんな勉強するほうじゃないくせに、偉そうにしやがって。

その点も、香織に教わったので抜かりないはずだ。


「まぁ、また再試になったら教えてやるから安心しろよな。」

「うぐ、確かに前回は助かったよ。」


助かったのは事実だが、その時はなんとも複雑な気持ちになったのは言うまでもない。



俺の通う学校のテスト最終日は、テストの後、きっちり授業があるが、テスト返却は早くとも来週になってからという約束事があるらしく、テストが返ってくることは無かった。


テスト後ということで、教師側も生徒側も、多少気の抜けた授業を受け、放課後となった。


いつもの通学路を歩き駅へと向かう。


駅に着き、一応スマホを確認したが、香織からの連絡は無かった。恐らく、香織の通う学校も部活があるんだろう。


なんだかとても久しぶりに感じながら、駅から自宅への道を1人で歩く。

何故かいつもよりも時間がかかった気がした。




おおよそ2週間ぶりに気兼ねなくアニメやゲームといった趣味を満喫していると、スマホから、LINEの通知音が鳴った。


かおり『テスト終わったね〜、お疲れ様!』

かおり『手応えはどうだった?』


部活終わりであろう香織からのLINEだった。


優斗 『おう、そっちもお疲れ。おかげさまで、そこそこ出来たと思う』

かおり『ほんと?よかった。テスト返ってきたら教えてね』


LINEでやり取りをしつつ、俺の勉強をみながらの勉強になってしまった香織はテスト大丈夫だったのか気になった。


優斗 『だいぶお世話になっちゃったけど、テスト大丈夫だったか?』

かおり『うん。私はいつも通りって感じかな』


流石である。香織のことだ、いつも通りと言いつつ、どの教科でも90点後半という、俺では考えられない成績を叩き出すんだろう。


香織にはとてもお世話になったし、何かお礼したいよな。どうするかな。

俺は考えつつLINEを送る。


優斗 『それなら良かった』

優斗 『お世話になったし、なにかお礼したいんだけど、なんか欲しいものとかあるか?』


しばらく経ってから、香織から返信がきた。


かおり『全然気にしないでいいよ!ちょっと楽しかったし。』

かおり『ちょっと気が早いけど、期末も頑張ろうね』

優斗 『えっ期末も教えてくれるのか?』

かおり『うん。優斗は嫌?』


そう言われると断る理由もない。


優斗 『いやいや、むしろありがたいよ。お願いしたいくらいだ』

かおり『じゃあ決まりだね』


期末も香織と勉強することが決まった。中間でも十分お世話になった上、期末もとなると、香織は大丈夫だと言っていたが、何かお礼を考えとかないとな。


俺はぼんやりと何なら喜んでもらえるか、考え始めるのだった。




翌週となり、テストが返ってきた。もともとそこそこだった国語系や歴史は少し点があがり70点後半で、赤点かラインギリギリだった英語も70点前後、数学に至っては80点近い点を取ることが出来た。


学年最初のテストで、範囲が狭めだったとはいえ、俺からすれば出来すぎなレベルであろう。香織様様である。


俺の得点をみて、谷本は顎が外れたような顔で驚いていた。いい気味である。



放課後、家に帰ってからLINEで香織に報告し、改めてしっかりとお礼を伝えた。


香織も喜んでくれたのが、送られてくる文とスタンプから伝わってきて、とても嬉しかった。


香織の結果は、予想通り全て90点を超えているらしく、数学に至っては、もう少しで満点だったらしい。


香織の学校とは、テストの範囲もレベルも違うが、いつか、香織と同じくらいの点数を取れるように、少しだけでも、日頃から復習くらいはしていこう。


俺はそう決心しつつ、机に向かった。

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