表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/136

幼なじみと妹の内緒話

「私、男の人を好きになったことないんだよね。恋愛って言われてもよくわかんないかも」

「香織お姉ちゃん、好きな人いたことないんだ?」


可愛くて優しい香織お姉ちゃんに、好きな人ができたことがないことに、私、美咲はびっくりです。


「そうなんだけど、もしかして変かな?」

「うーん?香織お姉ちゃんに見合う人が居なかっただけじゃないかな」


香織お姉ちゃんのことを好きな人は沢山いたと思うけど、その中に居なかっただけなんだろうなと思う。


お兄ちゃんは私たちと距離を開けて、話を聞かないようにしてくれてるみたい。そういう気配りできる人ってあんまりいないよね。


私はお兄ちゃんにはきこえないように、声のボリュームを抑え気味で香織お姉ちゃんに聞いてみます。


「香織お姉ちゃんは告白とかされないの?」

「たまにされるよ。けど、だいたい全然知らない人なんだよね。名前が分かるくらい。そんな人に付き合ってって言われても困らない?」

「それは私もわかるかも」


私自身は恋愛経験はまだないけど、友達は同じこと言ってる子がいます。


「美咲ちゃんも告白とかされるんじゃないの?」

「多分香織お姉ちゃん程じゃないけど、たまにされることある。でも、まだ付き合ったことはないんだ」

「好きな人がいたことはあるの?」

「うーん、まだ無いけど、高校になってからかなって思ってるんだ」


友達の中には付き合ってる子もいるし、幸せそうにしてる子がいるのも知ってる。相談に乗ることもある。けど、自分が、となると私もまだ無い。

理由は何となく分かってる。幼い頃から関わってきた男の人は、察しが良くて気配りができるお父さんと、それを見て育ったお兄ちゃんの2人。お父さんは言わずもがなだけど、お兄ちゃんも気を許してる人にはとっても優しいし、気配りもできる。

私の中の男の人像は、2人によってハードルが上げられてるから、付き合おうと思える男の人に出会ったことがないんだと思う。

私が少し考え込んでいた間に、香織お姉ちゃんが話し始めます。


「そっか、好きな人って出来たら分かるものなのかな。運命の出会いとか言ったりするよね」

「どうなんだろう。うーん、少し調べてみようかな」


占いの時に借りたままになっていたお兄ちゃんのスマホで調べます。


「好きな人を判断する方法っと……なんか色々出てきたよ!」

「どれどれ?どんなことが書いてあるの?」


香織お姉ちゃんと一緒にスマホに映し出されたことを読んでいきます。


「相手に近づきたい、仲良くなりたい、一緒にいたいと思う、他の女の人と話していると気になる、嫌われるのを想像したら涙が止まらない……」


うーん、色々書いてあるけどよくわかんないですね。


「なんかよくわかんないね。香織お姉ちゃんは?」

「えっ、えっと、そうだね。私もよくわかんないな。やっぱりまだ好きな人とかはいないってことかな」


そこまで話したところで、お家に着きました。


「あっ、優斗!予定教えてくれるんだったよね。私、これ片付けてから、またそっち行くね」


香織お姉ちゃんは前を歩いていたお兄ちゃんに向かってそう言って、パタパタとお家に入っていきました。

うーん、少しだけ、香織お姉ちゃんの様子が変わった気がしました。もしかして、さっきの中に、心当たりがあったのかな?

そう思ったけど、私より関わってるお兄ちゃんが気づいていないようなので、気のせいだったかなと思いながら、私はお兄ちゃんと一緒にお家に入りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ