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幼なじみとショッピングモール

ショッピングモールの最寄り駅に着き、電車を降りる。駅を出て、周りを見渡し、一応スマホで道のりを確認する。


「えっと、こっちの道だな。」


その道を確認すると、駅から出てきた人はだいたいそちらへ向かっていた。


「みんな目的地は一緒みたいだね。」

「そうだな。一応確認しつつ、ついて行くか。」


人気の高いショッピングモールなだけあって、目的地へと向かう人が多くいる。

ショッピングモールに向かう道中でさえ、周りの人の視線を感じる。ただでさえ容姿が整っている香織が、今日はスタイリッシュな服装で、メリハリがあり、整っているスタイルが強調されているためであろう。


「優斗、どうしたの?キョロキョロしたり、ぼーっとしたりして」

「あー、いや、なんでもないよ。道あってるかなって思ってな。」

「そっか、確認してくれてありがと。」


俺は、香織について考えてたなんて言える訳もなく、とりあえず誤魔化す。

ショッピングモールに着いたらもっと人がいるだろうなと思いつつ、今日1日、香織を1人にしないようにしようと心に決めた。




それからしばらく歩いて、ショッピングモールにたどり着いた。

映画館やゲームセンター、書店や飲食店など、様々なお店が取り揃った大規模な施設である。


「とりあえず、お店見て回ってみるか。」

「そうだね、気になるお店とかあったらその都度見てみよっか。」


俺と香織は一旦目的なく歩いてみることにして、雑談しながら進む。

相変わらず香織への視線の量がすごいなと感じながら、歩いていると、眼鏡のお店が見えた。


「そういえば、優斗は眼鏡かけてるけど、コンタクトにはしないの?」

「あぁー、えっと、怖いんだよ」

「えっ?」

「だから、コンタクト入れたり取り出したりするのが怖いんだって!」


眼鏡で過ごすこと役7年。コンタクトにしようと思ったこともあったが、その度に恐怖が勝ったのである。


「あははっ、優斗、可愛いとこもあるんだね。」

「うっさい」

「ごめんごめん、でも、コンタクトにしたら、印象変わると思うよ?」

「そりゃいつも付けてるものが無くなったら、印象も変わるだろうけど。」


眼鏡で困ってないしなぁ、と俺が考えていた俺には、「そういうことじゃないんだけど……」という香織の呟きは聞こえなかった。


続いて、スポーツ関連のショップを見かけた。


「香織、寄っていくか?」

「それじゃ、少しだけいい?」


そう言いながら2人でお店へと入っていき、バドミントン関連の道具があるところに来た。


「やっぱりラケットも結構種類あるんだな」

「そうだよー、優斗も中学でテニスやってたから何となく分かるでしょ?私のはこれに近いかな」


香織は壁にかかっているラケットの1つを指さして言った後、シャトルを見て悩み始めた。

俺はその香織の様子を見ながら、道具を眺めていると、なにか視線を感じた。

香織は今しゃがんで悩んでいるから、あまり目立って無いはずだけど、と思いつつ、視線の主を探すが、見つかることはなく、香織も買う方が決まったらしく、立ち上がったので、一緒に会計をして、お店を出た。


お店を出て、香織と話をする。


「ごめんね、付き合ってもらっちゃって」

「全然、気にするなって。それより、そろそろお昼食べるか?」

「そうだね、何食べよっか」

「うーん、とりあえず、フードコート行ってみるか」


その後フードコートでハンバーガーやポテトを食べてお昼ご飯を済ませた。

香織がファストフードを選んだのはなんだか意外だったが、「たまにだからいいの!」と言って食べてる姿は可愛かった。

お昼を食べながら、行きたいところを話した時に、香織が書店に寄りたいと言っていたので、午後からはまず、書店に行くことになった。


書店に着き、本を眺めつつ入っていく。香織のことだし、てっきり参考書や小説が欲しいのかなと思いつつ香織について行っていると、馴染みのある本が並んでいるところで香織は立ち止まった。


「漫画が欲しかったのか?」

「うん、優斗に借りてばっかりだと悪いし、最近自分でも買ってみてるんだ」


香織はそう言いながら最近アニメになった作品を手に取ってあらすじを見て悩んでいる。


「別に気にしなくてもいいんだぞ?最初は戸惑ったけど、今は違うんだし」

「ありがとね。また優斗に借りることもあると思うけど、自分でも買いたいんだよね。これとか面白そうだよ。」


どうやら香織もオタク文化にハマりつつあるらしい。

それからしばらく、香織と一緒に漫画や小説を見て、おすすめを話したり、俺が知っている作品なら、軽いあらすじを話したりして過ごした。

最終的に香織は、俺も知っているが、まだ原作を読んだことがなかった作品を選んだ。


「私が読み終わったら、優斗に貸してあげるね。これまでのお礼ってことで」

「気にしなくてもいいって言ってるだろ?」

「それはお互い様だよ。」


香織はニッコリ笑いながらそう言った。その言葉を聞いて、今このお出かけは香織へのお礼で遊びに来ているんだったと思い出した。お礼ってこと忘れて楽しんでたなと少しばかり反省しつつ、香織が楽しそうなので良いかと思い直す。

とはいえ、貰ってばかりでは悪いので、何かお礼になるようなものや、プレゼントできるものはないかと探しながら歩き始めた。


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