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幼なじみ彼女と友人とクリスマスイブ その2

いつものショッピングモールに入り、何をするか話し合う。


「さてと、何すっかね」

「あっ、そうだ。プレゼント交換会しようよ」

「というと?」

「えっとね〜」


青原さんの説明によると、これから1時間の制限時間を設けて、それぞれ1つ、プレゼントを選んで買ってくる。そして、そのプレゼントをランダムな相手にプレゼントする、というものらしい。


「面白そうだけど、みんなに共通するプレゼントって、思いつかないや」

「だから面白いんじゃん?」

「まぁ、確かに」


ロシアンルーレット的なね?あれ、この場合だと、ハズレ枠は誰になるんだ……?


「それじゃ、また1時間後にまたここで会おう!」

「あーいよ」

「どうしようかな」


それぞれショッピングモールの中へ散っていく3人。

俺はどうするかな……。


とりあえず、色んなお店見て回ってみるか。

見るからにおしゃれな洋服店や、コーヒーショップ、眼鏡屋にゲーセンと色々回っていくが、どこもピンと来ない。

最終手段として、お菓子を買って戻るという方法を考え始めたところで、ふと思いついた。

小物が沢山置いてあるお店に入り、ある商品が並んだ棚の前で考える。


「これなら、誰に回っても喜んでもらえるかな」


棚から1つプレゼントを決め、購入して戻る。

ちゃんと喜んで貰えたらいいんだけど……。



* * *


side谷本


俺はあまり迷うことなく、文房具から本、ちょっとしたグッズからゲームまである図書屋に訪れた。


「橋崎が相手なら、ここら辺の中から選べばいいが」


俺と共通して好きなアニメのグッズを見ながらそう考える。


「女子2人の好みがわからん。青原はともかく、中村さんにあげることになった時、橋崎のラインを超えないような物にしないと」


ちゃんと親友の心情を汲み取るのが、いい男の第1歩なのである。


「てか、女子2人はアニメとか見んのかな。そんな話した事ねぇや。話のネタ発見だ」


中村さんの方は橋崎に付き合って音ゲーやってたくらいだし、アニメも見てるかもな。

そんなことを考えながら歩いていると、良さげなものを発見。


「おっ、これなら当たり障りなく、尚且つあったら嬉しいし、貰っても引かないレベルじゃないかな」


なんなら俺が欲しい。

満足出来るプレゼントを選んだところで、まだ時間があるので、これ以上の候補を探しつつ、俺のほしいもの買おっと。



* * *


side青原さん


ふむむ、自分で言い出しておいてなんだけど、全然思いつかない。橋崎くんはわかりやすいんだけどなぁ。

多分何渡しても喜んでくれるし。

その点、谷本くんは難しいなぁ。何が好きなんだろ。誕生日も来るわけで、なんかリサーチしないと。

香織ちゃんも分かりやすいよね。この間のプレゼントも喜んでくれたもん。


「うーん、そうだなぁ」


みんなが飛び跳ねるところまで行かなくてもいいから、ちゃんと喜んでもらえるプレゼント……。

そう考えながら歩いていると、ふとお店に置かれた商品が目に入った。


「こ、これだ!」


その中から、喜ばれそうなものを選んで、購入する。


「ふふふ。我ながらいいチョイスではなかろうか」


これ嫌いな人はいないでしょ。

自信もって、待ち合わせ場所に戻ることにしよ。



* * *


side香織


「うーん、どうしよ」


優斗はともかく、谷本くんと桃ちゃんのプレゼントが全然思いつかないや。

谷本くんは優斗と仲良しなくらいだから、似た趣味だったはず。

桃ちゃんは可愛いものが好きそうだけど、それだと男の子2人のどっちかに渡った時に困っちゃうよね。


頭を悩ませながら歩いてしばらく。

あるキャラクターが目に止まった。


「そうだ、そういえば」


ちょっと前に、優斗と帰ってる時、谷本くんと桃ちゃんが夢の国に詳しいって話をしたのを思い出した。


「あとは、どのキャラクターがいいかなんだけどな、うーん、あっ」


いい商品を見つけた。これなら、どっちに転んでも良さそう。ごめん優斗。今だけ2人を優先させてね。



* * *



俺が約束の場所に戻ると、青原さんだけ先に戻ってきていた。


「早いな。さすが」

「えっへん。ついでにランダム抽選のアプリ用意しといたよ」


青原さんはスマホの画面を見せながら笑った。

その後しばらく、青原さんと話しながら待っていると、谷本と香織も戻ってきた。


「おまたせ、ごめんね、遅くなって」

「それだけ一生懸命選んでくれたってことでしょ?嬉しいなぁ。是非私が当たって欲しい」

「こればっかりは運だからな。自分でルールを決めたのを恨みまたへ」

「ふんだ、まだ決まってないよん」


青原さんはスマホを開き、アプリを起動する。


「それじゃ、いくよ〜。それっ」


ランダム抽選のアプリが動き始め、結果が出た。


「えっと、私が谷本くんから貰って、谷本くんが香織ちゃんから貰って、香織ちゃんが橋崎くんから貰って、橋崎くんが私から貰う、と」


まとめると、谷本→青原さん、香織→谷本、俺→香織、青原さん→俺、だな。


「それじゃ、早速交換しよう」


それぞれ、プレゼントを渡して受け取っていく。

せっかくなので、順番に開けて、内容を確認していくことになり、まずは青原さんからである。


「谷本くんは何を選んだのかなっと。これは、ブックカバー?」

「おう、本読む時に便利だぞ。本汚れないし、栞もついてる」

「いいな〜。そういうの欲しかったかも」

「谷本センスあるな」


俺と香織が高評価をする中、青原さんは微妙な表情をしている。


「私、あんまり読書しない……」

「じゃ、いい機会だったな。読め読め」

「読みやすい本貸そうか?」

「冬休みで1冊読み切れるかな……」


青原さんが読書することが確定したところで、次は谷本に届いた香織からのプレゼントだ。


「どれどれ……おぉ、スノードームだ。しかもこれ、夢の国の城じゃん!うおぉ、テンション上がるわ!」


香織が選んだのは夢の国のお城があしらわれたスノードームのようだ。机の上に置いたらちょっとオシャレかも。


「喜んで貰えてよかったよ」

「俺が夢の国好きなの話したことあったっけ?」

「優斗から聞いたことあったの思い出して、それで」

「なるほど、青原も好きだもんな」

「ぐぬぬ、羨ましい……」


満足そうな谷本と、恨めしさを感じる青原さんを尻目に、香織がプレゼントを開ける。


「優斗からのプレゼントは何かな?……ぬいぐるみだ!可愛いね!」


俺が選んだのは動物のぬいぐるみだ。色んな動物がいたけれど、子どもライオンをチョイスした。


「これ、私とか香織ちゃんは嬉しかったけど、谷本くんにならなくてよかったね」

「いや、実は……」

「俺、こういうの好きだぞ?」

「えぇ!?い、意外だ……」


夢の国が好きなんだから、可愛らしいのが好きなのも頷ける。可愛いは正義だ。


そして最後、青原さんが選んだプレゼントだ。

俺が袋を開けると、小さめの箱が出てきた。


「これ、ミニフィギュアか。すげぇ、デザイン凝ってるな」


青原さんがチョイスしたのは、有名なキャラクターのミニフィギュアだった。ただのフィギュアじゃなくて、ジオラマみたいなのがついている。


「ありがとう、机の上に飾るわ」

「喜んでもらえて良かったよ」

「なんだかんだ、みんなちゃんと嬉しいプレゼントで良かったな」


プレゼント交換が無事に終わり、みんなのセンスがお互いにあってることを再認識した。クリスマスっぽいこともできたし、大満足である。


とはいえ、まだまだ時間はある。なんせ、明日からは冬休みだ。テスト勉強から開放された爽やかな気持ちとともに、4人で遊んでいった。


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