表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺し屋とヴァンパイア  作者: ひいらぎ桜
出会い編
1/4

灰色の通路にて

コツ コツ

男の足音が響く。

明かりが灰色の床と壁を鈍く歪ませた。

足音がするたび影が伸び縮みを繰り返す。

男は細身であり、しかししなやかな筋肉がついていた。癖のある毛が頬骨をかする。

その男の斜め後ろを歩くやや小太りの男がそっとささやいた。


「本当に、彼女たちで良いんですか?」

「ああ。もちろんだとも」


男は感情を見せない笑顔で答える。


「君は私の目を疑っているのかい?」


いえっ、そんなまさか。と小太りの男が声を裏返しながら言う。


「・・・・・・ですが」


小太りの男が続けようとした時、時間は止まった。

細身の男が美しく微笑んだからである。

まるで悪魔に代償を捧げる代わりに願いを叶える。という甘い囁きを、耳元でされているかのようだった。

背徳感と満足感が小太りの男の頭を埋めつくす。

細まる眼は全てを見通しているかのようで、小太りの男は喉を嚥下させた。

男は、さらに微笑むだけだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ