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えっ?聖女?

「神の奇跡だ。」


誰かがそんな事を口にした。その言葉を皮切りに人々の口から女神だ、聖女だと声が挙がる。

私からしてみればなんの事か分からない、奇跡?、そんな事気休めにしかならない、父が苦しんでいるのに何を戯言をと怒りさえ湧いてきてしまう。


「あんた、あんたぁ…」


母の叫びが私の耳元で響く、私を抱く腕の力が急に強くなり、痛いとさえ思う。

その声に悲痛な声音はなく、歓喜の様なものまで漂ってくる。

そして、聞こえるもうひとつの声、よく知る父の声が耳に入り、やっと状況が把握出来る。


「何が起こった…?傷が治っている。」


「えっ!父さん」


次に押し寄せるのは不可解な出来事に対する疑問。先程まで瀕死の父が何事も無かったかの様に体を起こして自分の身体を調べている。

服は赤く染まって悲惨な惨状の後を残しているし、さっきまでの出来事は夢や幻でない事は間違いない。

周りを見れば全ての人の視線が私に注がれている。


「私が…!?」


「聖女様だ。」


「リルエラが創世神様に祝福されたぞ。」


そこからは皆の騒ぎに思考がついて行かず、父の奇跡の完治、私の癒しの力の発現に村全体での祝いが開かれた。

誰にも気づかれることなく、ひっそりと淡く光る手の甲の両翼の羽の紋章が浮かび上がっているとも知らずに…。



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