なんか生えてた
バッシャーーーン!!!
「もがああああだじげで!ガバゴボォ!」
ワーキャーと周囲が騒がしい、自分も周りもパニックなのだと思われた。
転生して即死かと絶望した、万能じゃなかったのか・・・。
そうだね、世の中そんなに甘くない。
コポォ・・・水中独特の音がする、プールで潜水した時の音。
コポォ
コポォ
・・・
「アホかー!死んでたまるかー!」
OOOOOOはガバリと起き上がり憤った、せめて突き落とした神をぶん殴って死んでやるとOOOOOOは思った。
「・・・あれ?」
ひざ下あたりに水面がある、案外浅かった。
(いやいや、子供は数センチでも溺れるから!)
ゲホゴホと咳き込んで水を吐いた、鼻と喉の奥が痛くてつらい。
どうやらどこかの庭園の池に落ちたようだ。
つーんとした痛みに顔を顰めているとエプロンドレスの女性が抱きかかえ保護してくれた。
「・・う・・あ」
「ああ!なんてことすぐに湯浴みいたしましょう」
バタバタと似たような服装の女性が数人駆け寄り、見知らぬ屋敷へ連れて行かれた。
「ガルディアス様、お怪我はありませんか?」
ガル・・ディアス?
ああ、そうか私はガルディアス。公爵家の子供。
名を認識した途端一気に自分の生い立ちが頭に流れた、映像の洪水が押し寄せて酷い頭痛に襲われた。
「ああああああ!いやあああああ!」
湯船の中で突然に絶叫した様子に大人たちが狼狽する「医者だ」「奥様を呼んで」と大騒ぎになる。
***
気が付くとベッドらしきに仰向けでいた。
さらさらすべすべ、居心地の良い寝具の上だ。
「天蓋付きベッド・・・わあスゴイ・・・お姫様じゃん」
ふと視線に気が付く、銀髪の美しい人がガルディアスの手を握っていた。
「良かった、気が付いたのね」優しく笑んで、幼い頬を撫でた。
(ああ、お母さま。なまえはシルヴィア29歳)
「わー母ちゃん、若くてびっずぃーん」
「ガルちゃん!?」
「・・・もうしわけありません、お母様、へんな夢を見てたようです」
(あっぶな!!素で喋っちゃった)
「そ、そう?庶民のような話し方でびっくりしたわ」
「ええ、不思議な夢でした」
よくよく見ればベッドの周りを使用人がズラリ囲んでいた。
さすが公爵家、侍る人達も美男美女で揃えてる。
それから医者の診察で問題なしと太鼓判を押されベッドから這い出た。
ブルル・・・尿意に襲われトイレへ駆け込む、お嬢様らしくないと怒られそうだが漏れたら大惨事!
「わあ、トイレも豪華」
前世住んでた家の3倍は広いトイレに感嘆、磨き上げられた便座に腰を落とす。
「ふう。・・・ん?なんか変」
用を済ませ下着を上げたら、なんか引っかかる。
え?
あれ?
「なんか生えてるーーーーーーーーーー!!!」