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2.相棒
大学に入って二年、八年間愛用した自転車にもついにガタがきたようで思い切って原付を買った。大学に上がる前に取った免許もやっと本来の仕事をする。それが半年前。
その原付の支払いがようやっと終わろうとしている。その時は手持ちが足りず深く考えずに分割にしたが、通帳から月々引かれる数字を見るたびにげんなりとしたものだ。
だがいざ払い終わると思うと何故か少し寂しい気持ちになる。今まで我慢していたものが買えるとかなんとか考えていた先月が冗談のようだ。僕は一体何を買おうとしていたのだろうか。
ふと隣に佇む愛車に目を向ける。普段乗っていると気にならなかったが、存外汚れているし傷もある。
「…………」
黙ってヘルメットを被る。こいつとは何年の付き合いになるのだろうか
