呪術師のお仕事、その3。~呪い(邪術)を解く 後編 ”呪いの解き方”~
さぁ、呪術師の出番だ。呪術を解く時の儀式は邪術と違い【公の場で行う】必要がある。集会場かどっかに、村中の人を集めるのだぁ!
・呪いの解き方
まず、皆の前で呪術師は自分をアピールする。例えば毒蛇を素手で捕まえて一緒に遊んだりね。
どんなものでもいい。
【邪術使った奴よりも、自分の方が強いことを、皆に印象付ける】こと。これが大切。
村人がその呪術師をとても優れた呪術師だとあらかじめ認識していれば、アピールする必要はない。
そして、呪いを解く呪いを行う。
伝統的な儀式を観て、村人達が“安心”し、共同体全体の認識が変わる。
『呪いは解かれた』と、皆が信じる。
これだけで、呪いは解ける。
日本の有名な呪いの一つ、藁人形も、似たようなメカニズムを持っている。
呪いたい人間の名前を書いたワラ人形に釘を刺し、それを境内なんかの公共の場に放置する事で、不特定多数の人間に『○○に呪いをかけた』という情報を伝え、それが本人の耳にも届く。
ヨーするに、呪いとは【思い込みの力】なのだ。それも一人の思い込みではなく、周りの人々も巻き込んだ、強い信仰心の類い。
【呪いは、周囲の人間の結束力が強ければ強いほど、効果を発揮する】
集団で狩猟を営む民族ならば、その力は絶大だ。
今の日本だったら、藁人形を見つけても「気にしない」 ことにすれば、呪いは成立しないと思うけど。……これってイイコトなのかなぁ。