第4話:待ち合わせ
3日後、翔と仕事あがりに飲みにいく約束をした。その日は朝早くから事務所にはアタシ、ひとりだった。
スタッフが朝、ちゃんと起きてるかひとりひとり電話連絡をとる。アタシは他のスタッフにするのと同じように翔にも電話をいれた。
眠そうな声で翔が電話にでた。
『ちゃんと起きてますか?今日も1日、お仕事宜しくお願いします。』事務的にアタシが言う。
『はい。』
翔もトーンを落とした低い声で返事した。
暫くして事務所の電話が鳴った。
『あ、翔っすけど。香椎さん?』
『うん、なに?』
さっきの事務的な声とは違う声で話すアタシ。『今、事務所ひとり?』
『そうだよ、時間間に合う?』
『だいじょぶ』
『ちゃんと着替え持ってでた?今日、遊べる?』
『持った、そのつもりだけど』
...探るような拗ねたような声で答える。
『うん、気をつけてきて』
仕事の集合時間に5分遅刻で翔がきた。
『じゃ、出発してください!』
他のスタッフを促しみんなが事務所をでていく。一番最後に翔がでる、『これ、あげる』『お、ありがと』
上目遣いでアタシを見ながら缶コーヒーを受けとる。
翔が仕事を終えて戻るより前に退勤した。
一旦部屋に帰り着替えて待ち合わせの駐車場へ。
...ちょっと本屋に寄っていこう。あてもなく書棚の本を一冊手にとり立ち読みする。
...こんな風に待ち合わせの前にあれこれ考えながら時間を過ごすのって何年ぶりだろ?一緒に暮らす彼とはこういう風にはいかないもんな。
ポケットに入れた携帯の振動がメールを知らせた。翔からだった。『いま終わった!』
本を棚に戻しながら返事を入れる。
『了解!駐車場に移動するね』
車を走らせ駐車場へ。翔の車の正面に停めてタバコに火をつけた。翔が帰ってきた。
携帯をかける。
『はい』
『お疲れ様、前にいるよ』
トランクに荷物をしまいながら携帯にでる翔を確認しながらゆっくりと車を横につける。『車、向こうに停めてくるね』
窓を開けてそう言うと車を駐車場の端に停めた。翔の車まで歩いていき助手席に乗った。『どこいこっか?なんか食べよ』
『うん。』
『ここらへんは誰かいるとやだからちょっと離れようか』
『そだな』
ちょうど夕方の退勤時間でこの周辺は渋滞する。結局アタシの知り合いの料理屋にした。車を降りるとき
『つっかけでいいすか?』
『いいよ、アタシそういうの気にしないから』
...アタシよりいい車乗ってるのにそういうとこ気取らないのはやっぱ若さかな?
そう思いながら店に入った。馴染みの店長が笑顔で迎えながらちょっと探るような目で二人を見ている。
車だったけどビールを飲みながら鴨すきを食べた。二時間くらいその店で過ごし会計を済ませ店をでた。店の隣のパーキングの車に戻った。
『どうする?』
...アタシが先にいった。『ん?』
ハンドルに顔を寄せて翔が見る。
『翔さんにお任せしますよ!』それには答えずに翔が車を出す。
でも行き先は決めてるように...。
おしゃべりをしながら街の中心に位置する湖に近いラブホテルについた。
...よりによってここ




