さよなら蓮姫
蓮華の叫びにより十王武神を制御できた一刀
その圧倒的な力で邪鬼龍を追い詰めていき
十王一刀「気伝丸・光刃斬り!! 」
ズバァンッ!!
邪鬼龍『ぎゃああぁぁーっ!?』
シュウゥッ…!!
得物の気伝丸に光の気を流した一撃で邪鬼龍を消滅させたのだった!
十王一刀「安心しろ。光遁は相手を消滅ではなく封印する一撃だ 」
あれだけ邪鬼龍に対して激しい怒りを感じながらも消滅ではなく封印の道を選んだ一刀
少しばかり甘い考えなのかもしれない
何はともあれ、ついに邪鬼龍を倒した一刀
すると
シュパァンッ!!
一刀が元の姿に戻ると
一刀「ぐふっ!? 」
よろりっ!!
激戦を続け、未知の十王武神まで発動させた疲労により一刀はよろけてしまった。
蓮華「一刀!? 」
孫登「とちゃま!? 」
ガシッ!!
そんな一刀を支える蓮華と蓮華に抱かれている孫登
一刀「蓮華、孫登… 」
蓮華「もうっ!!心配ばかりさせるんだから! 」
孫登「とちゃま、めっ!! 」
まだ赤ちゃんである孫登からも怒られてしまった一刀であった。
葵「とうとう戦いが終わったのね 」
ジュン「俺もう腹減っちまったぜ。戻ったら流琉に料理作ってもらおっと♪ 」
玲「俺的にはまだ暴れ足りねぇけどな 」
吹音「まぁいいじゃないですか。今はとにかく勝利を喜びましょう♪ 」
茜「そうですね♪ 」
源治「・・・何で俺だけ殴られたの? 」
まだその点を気にする源治
一刀「そうだ!ありがとな小す… 」
スッ…
一刀は力を貸してくれた小助達の方を見るが
バァンッ!!
そこに小助達の姿はなかった。
一刀「そうか、もう行ってしまったか 」
真の姿になった小助達は掟により忍獣の里へ強制送還され、しばらくの間は忍に会うことが許されないのだった。
蓮華「さよならも言えなかったな 」
一刀「いえ大丈夫です。何故だかわからないが必ずまた会えるような気がする。だからさよならは言わんぞ我相棒よ! 」
ぐっ!!
拳を握りしめた一刀はそう誓うのだった。
そしてこれで全てが終わったと思われたその時であった!
かたかたっ!!
遥「ひっ!? 」
崩れた暗黒城の瓦礫の下から何かが出ようとしているのだ。
神楽「まさかまだ邪鬼が生きてるんですか!? 」
零奈「もう私達に戦う力なんて残ってないよ!? 」
十王武神を行うために力を使い果たした忍達にもはや戦う力は残っていなかった。
そして
ガバァッ!!
瓦礫から何かが現れた!
その何かとは…
将「ぶはっ!?ゲホゲホッ!?や…やっと出られたわい!? 」
バァンッ!!
今回の騒動を引き起こした原因の一人である特川将であった。
玲「誰だあいつ? 」
源治「・・・巻き込まれた一般人か? 」
一刀と蓮華以外は将と対面していないため誰だかわからなかった。
読者も覚えているかわからないが
将は邪鬼に騙され真の力を引き出し邪鬼に裏切られた後、気を失い
その後、一刀に助けを請うが助けてもらったものの、怒りの一刀により城から出されたのだった。
将「あーっ!!お前!! 」
将は一刀を発見すると
将「よくも余を蹴り飛ばしてくれたな!!お前は『将軍蹴り飛ばし罪』で有罪じゃ!! 」
今回の騒動の原因でありながら勝手なことを言う将に
一刀「貴様ーっ!! 」
ぐいっ!!
さすがの一刀も怒り、将の胸ぐらをつかむのだが
将「しょ…将軍である余を殴る気か!?殴りたければ殴るがよい!その時点で貴様は死刑だぞ!? 」
一刀「ぐっ!? 」
将軍という権力を盾に身を守る将
一刀もこの世界のルールに従わなければならないため簡単に殴るわけにはいかなかった。
玲「ちきしょう!!さっきから見てれば奴が最低な奴だってことはわかるし殴りてぇが!! 」
葵「相手がこの世界の将軍じゃ手出しできないわね!? 」
みんな誰もが将を殴りたいのだが、殴れない悔しさでいっぱいであった。
するとそこへ救世主が現れた!
?「将よ、お前にその権利はないぞ 」
将「なぬっ!! 」
一刀「この声は!? 」
横から声が入り、みんなが声が聞こえてきた方を見てみると
蓮姫「フッ! 」
バァンッ!!
そこにいたのは胸の大きさと額の印以外蓮華にそっくりな蓮姫であった!
源治「・・・うひょっ♪孫権さん似の美人さんだ♪お嬢さん、是非とも俺とこんや… 」
ドグボッ!!☆ミ
理央「げ〜ん〜じ〜さ〜ん!!♯ 」
源治「・・・ぐふぅっ!? 」
毎度お馴染みの源治は置いといて
将「余にそんな権利はないじゃと!いくら蓮姫ちゃんでも今の発言は許さぬ!将軍である余に謝罪するのじゃ!! 」
蓮姫「だからお前に将軍としての権利はない!何故ならこいつが将軍としての権利を剥奪したからな 」
スッ!
と言いながら自分の後ろにいる人物を見る蓮姫
蓮姫「だろうタヌキ 」
蓮姫がタヌキと呼ぶ人物とは
?「私をタヌキだなんて、いくら蓮姫姉様でもひどいですよ〜!? 」
バンッ!
そこへ貴族のような服を着た小柄な人物が現れた。
この人物こそ
将「み…帝!?何故ここに!? 」
将軍よりも高い権力を持つ帝・梅平竹千代である。
蓮姫「昔、人質になっていたお前に対して優しくしてやった私に逆らうというのか? 」
ゴゴゴッ…!!
竹千代「ひぃっ!?滅相もありませんです〜!? 」
ある意味恐ろしい蓮姫であった。
蓮姫「それはさておき、タヌキ! 」
竹千代「はいはい〜 」
スッ!
竹千代はある書状を取り出すと
竹千代「将軍・特川将!此度の狼藉により貴殿を将軍の座から辞退させる! 」
将「な…なぬっ!? 」
将軍を辞退させるのは帝だけに許された権限である。
蓮華「蓮姫 」
蓮姫「なぁに、お前達には恩義があるからな、これくらいはしなくちゃ借りは返せん 」
このためだけに帝である竹千代を連れてきた蓮姫であった。
そして将軍の座を下ろされた将はもはや単なる一将でしかなく、殴っても罪にはならないので
ギロリッ!!
将「ひ…ひぃっ!? 」
途端に将達に睨まれる将
すると
一刀「みんな、こいつの処罰は俺に任せてくれ 」
スッ!
一刀はみんなを押さえて将の前に出ると
将「ひぃっ!?来るなぁーっ!? 」
一刀を避けようとする将だが
一刀「安心しろ。頭に手を置くだけだ 」
スッ…
将「な…なぁ〜んだ。それならば 」
てっきり殴られるのかと思って安心する将であったが
一刀「北郷流体術・土竜戻し!! 」
ゴォッ!!
将「ぐふぅっ!? 」
ズボボォッ!!
一刀に勢いよく頭を押さえられた将は頭を残して体を地面に埋められてしまった。
将「う…動けぬ!?誰か助けて〜!? 」
蓮姫「いい薬だ。反省しろ 」
竹千代「あはは〜!? 」
それから数日後
城にて戦いの傷や疲労を癒した一刀達
そんなある日
ゴゴゴッ…!!
突然空に謎の空間が発生した。
吹音「あれは姫様が発生させた空間ですね 」
元の世界にて姫子が元の世界に帰れるよう通路を作り出したのだった。
それはつまりこの世界との別れを意味していた。
玲「もう帰るのかよ 」
ジュン「この世界にいれば華琳にガミガミ言われないし、もう少しだけこっちで過ごしても… 」
源治「・・・俺はこの世界に残って蓮姫さんとけっこ… 」
遥「ジュンさん、ダメですよ!! 」
理央「さっさと帰りますよ!!♯ 」
ババッ!!
ジュン・源治『あれ〜!? 』
二人に無理矢理空間に連れられるジュンと源治であった。
もちろんこの機を逃したら次はいつチャンスがくるかどうかわからない
もしかしたら一生無いかもしれないのだ。
一刀「吹音、すまないがみんなを連れていってくれ、俺は後から行く 」
吹音「わかりました 」
ビュウッ!!
吹音がみんなを風に乗せて連れている間に
一刀「それでは蓮姫様、色々とありがとうございました 」
蓮華「私からも礼を言わせてもらおう 」
蓮姫に別れの挨拶をする一刀と蓮華
蓮姫「こちらも楽しかったぞ!別れるのは少し寂しいがな 」
別れだというのにやけににこやかな蓮姫
一刀「では 」
ひょいっ!!
一刀は蓮華と孫登を抱くと
一刀「ありがとうございました! 」
バッ!
空間へと飛び立つ一刀であったが
蓮姫「確かにお前達がここに残ることはできない。だが! 」
ガシッ!!
一刀「うおっ!? 」
蓮華「きゃっ!? 」
急に一刀の足をつかむ蓮姫
蓮姫「私がそちらの世界にいけばいいではないか♪ 」
鹿衛門「なっ!?いけませんぞ!? 」
ぐいっ!!
飛び立つ蓮姫を阻止しようと蓮姫を押さえる家臣達
そうなると一刀は飛び立てないわけで
ズズズッ…!!
一刀「あぁっ!?空間が閉じようとしている!? 」
そうこうしている間に空間が閉じようとしていた。
このままではこの世界に残らなくてはならない!
蓮華「こうなったら一刀、ズボンは諦めてくれ! 」
一刀「えっ!? 」
カチャカチャッ!!
蓮華は一刀のズボンのベルトを外すと
するりっ!!
蓮姫「きゃあっ!? 」
ドテンッ!!
ズボンが脱げたことで尻餅をつく蓮姫
そしてその隙に
バッ!
蓮姫「あぁっ!? 」
一刀達は空間を通って元の世界に帰っていった。
と同時に
スゥッ!!
空間が消滅してしまった。
蓮姫「フッ!なかなか面白い奴らであった。また会える日を待つとするか 」
と言いながら空を見上げる蓮姫
そしてこの後、竹千代より蓮姫が次期将軍に選ばれたのだが
本人は将軍なんてつまらぬと辞退する気であったという
オリキャラ紹介
梅平竹千代
将軍より高い権力を持つ帝であり蓮姫の弟分。タヌキが好きなため蓮姫からのあだ名がタヌキであり蓮姫に対して頭が上がらない。




