命懸けの暗黒城脱出！
久々に忍達が揃います。
邪鬼の手により、一度は死んだと思われた一刀
だが、愛娘である孫登の泣き声によって死の淵から蘇り、孫登を泣かせた邪鬼に対して怒る一刀
そして同様に母である蓮華も怒り、一刀と蓮華は三身一体すると
紅蓮一刀「進撃・双牙唐竹割り!! 」
ズバァンッ!!
邪鬼「がはぁっ!? 」
一刀が放った一撃は見事邪鬼を切り裂いたのだった。
進撃・双牙唐竹割り
北郷流剣技・唐竹割りの二刀流版であるが
本来唐竹割りは来る敵を迎え撃つカウンター系の剣技である。
しかし自ら前進することで刀の間合いを接近させカウンター系ではなく攻撃系の剣技となるのだ。
シュパァンッ!!
そして邪鬼を倒したと同時に三身一体が解けると
一刀「はぁはぁ…!? 」
よろりっ！
蓮華「一刀!? 」
よろける一刀を支える蓮華
小助『大丈夫かよお前!? 』
一刀「な…何とかな!? 」
先程まで死の淵から復活し、三身一体まで繰り出したため、もはや一刀はうまく立つことさえできなかった。
すると
孫登「たいっ！ 」
よちよちっ！
蓮華「孫登！ 」
はいはいで両親に近づく孫登
一刀「よちよち！父様は勝ちましたよ〜♪ 」
小助『孫登は此度の戦いの功労者だな 』
孫登「た？ 」
蓮華「もう孫登ったら 」
まだ赤ちゃんなため言葉の意味がわからず首をかしげる孫登
そして親子が幸せな時を過ごしていたその時！
邪鬼「うぅっ…!? 」
しぶとくまだ生きていた邪鬼が体を動かしていた。
邪鬼「おのれっ！俺はまだ負けてはおらん!!斯くなる上は…!? 」
ずるずるっ…
一刀達に気づかれぬまま、邪鬼は這いずりながら部屋のすみに移動すると
邪鬼「こうしてくれる!! 」
ぐいっ!!
部屋のすみにあるレバーを引っ張った。
するとその時！
ズゴゴゴッ…!!
蓮華「きゃっ!? 」
一刀「な…何だ!? 」
急に暗黒城が揺れ始めたではないか!?
邪鬼「フフフッ！この城は元々俺が馬鹿(将)に与えたもんだ。城の仕組みは俺がよく知っている。そしてこのレバーを引くと崩れる仕掛けになっているのさ！ 」
一刀「何だって!? 」
邪鬼「俺は貴様に倒されるくらいならば死を選ぶ！先に地獄で待ってるぜ!! 」
ズゴゴゴッ!!
そう言って邪鬼は瓦礫に埋もれてしまった。
小助『あの野郎、城を崩して自分もろとも俺達を潰す気かよ!? 』
蓮華「どうしよう一刀!? 」
このまま城にいたのでは潰されて死んでしまう。
そういうわけにもいかないので
一刀「脱出するしかない！蓮華、俺にしっかりつかまってくれ！ 」
蓮華「わ…わかった 」
ガシッ!!
一刀に背負われる蓮華
むにゅんっ♪
そしてこの時、一刀の背中に蓮華の胸の感触が伝わってくるのだが
一刀「小助と孫登は懐の中へ！ 」
孫登「たいっ！ 」
小助『おうよっ！ 』
脱出するのに夢中なため、蓮華の胸の感触に気づいてなかった。
一刀「では１・２の３でいきますよ！ 」
蓮華「あぁ！ 」
小助『頼むぜ！ 』
サッ！
一刀は数歩下がると
一刀「１・２のさ… 」
そして、いざ一刀が窓に向かって飛び出そうとしたその時！
？「ま…待ってくれ!? 」
ガシッ!!
何者かが一刀の足をつかんだ。
その人物は…
将「よ…余も助けてくれたもう!? 」
バンッ!!
邪鬼に蓮華を拐うよう命じた将であった。
小助『へんっ！テメェのような悪人を誰が助けるもんか！城と共に潰れちまいな！ 』
将「そ…そんなこと言わずに助けてくれ!?九十九茄子をやるし、邪鬼に代わって余の副将にしてやるから!? 」
一刀も見捨てるのかと思いきや
一刀「いや、悪人とはいえほっとけはおけん。助けてやろう！ 」
蓮華「一刀!? 」
将「ありがたや〜!! 」
さすがの蓮華も自分を拐った奴を助けるのは嫌だったらしく、一刀の言葉に反対であったが
一刀「よし！俺の前に立つがよい 」
将「こうかの？ 」
スッ！
将が一刀の前に立った瞬間！
一刀「ハァッ!! 」
ブォンッ!!
ドッカァーンッ!!☆ミ
将「ぶぎょーっ!? 」
キィーンッ!!
勢いよく一刀に蹴り飛ばされた将は窓へ向かい
バリィンッ!!
将「なぁーっ!? 」
窓を突き破って外に出たのだった。
一刀「ただし、脱出方法及び脱出後どうなるかは知らぬがな 」
小助『お前、案外むごいことするんだな!? 』
一刀自身、蓮華を拐うよう命じた将を許せなかったのだった。
そして
一刀「１・２の３！ 」
バッ！
駆け出した一刀は将が開けた窓の穴から外に飛び出すと
バサァッ!!
一刀「忍法・ムササビ降下！ 」
ひゅるひゅるっ！
手拭いを利用して降下したのだった。
すたっ！
そして一刀達が無事に地上に降りた直後
ゴゴゴッ!!
城は完全に崩れたのだった。
蓮華「これで全て解決だ。よかったな一刀 」
蓮華を救出し、邪鬼を倒したため全てが終わったかと思いきや
一刀「あれっ？いないぞ!? 」
蓮華「どうしたんだ一刀？ 」
一刀「俺と共に城に乗り込んだみんなの姿が見当たらない!? 」
蓮華「何だって!? 」
そう、辺りには葵達の姿はなかったのだった。
小助『まさか崩れた城の中に!? 』
そんなことはありえないと思うのだが、激戦を繰り広げ、疲労状態ならばそれもありえた。
一刀「くそっ!!何で早くに脱出しなかったんだ！ 」
ダンッ!!
地面を殴る一刀
蓮華「みんな…私を助けるために!? 」
小助『ちくしょう!!みんなの主君になんて言やいいんだよ!! 』
城ごと崩れたのならば忍であっても死は確実である。
そして
一刀「バッカヤローッ!! 」
ほろりっ!!
一刀が涙を流しながら崩れた城に向かって叫んだ瞬間！
ゴッチーンッ!!☆ミ
一刀「ぐっ!? 」
一刀は後ろから誰かに殴られた
その誰かとは…
玲「一刀！テメェ、助けに来てやった仲間に対してバッカヤローッとは何だよ!!♯ 」
バンッ!!
玲であった。
一刀「痛い!?夢ではない!? 」
小助『生きてたのかよ!? 』
玲「死んだふうに言うんじゃねぇ!!どうやら俺がいた部屋が最上階に一番近かったらしくてな、そうとも知らずに城から出ようと穴を掘りまくったらみんなと出会えたわけだ 」
暗黒城は異次元空間であり、自分が城のどこにいるかわからないのだ。
すると
吹音「一刀さーん！ 」
葵「先に言っとくけど、ちゃんと足があるから幽霊じゃないからね！ 」
零奈「ご無事でしたか！ 」
源治「・・・孫権さーん！ 」
ジュン「簡単に死ねるかってんだ 」
遥「まだ生きてますよ 」
茜「一刀様、蓮華様、お久し振りです！ 」
理央「源治さんと式を挙げるまで死にませんわ！ 」
神楽「玲先輩が生きてるのに僕が死ぬわけにはいきません！ 」
バァンッ!!
玲以外の忍達と相棒達が姿を見せたのだった。
一刀「み…みんな！ 」
蓮華「よかった！ 」
小助『奴らがあれくらいで死ぬわけねぇよな 』
確かにそうである。
これで本当に完全解決かと思いきや
ゴゴゴッ…!!
葵「何よこの揺れ!? 」
遥「地震ですか!? 」
玲「いや、こいつは地震じゃねぇ!! 」
急に地鳴りが発生すると
ドドォーーッ!!
ゴオオォォーーンッ!!
崩れた暗黒城から黒い龍が出現したのだった。
ジュン「しかも東洋風かよ!? 」
どうやらまだまだ戦いは終わらない
