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早さという欠点

暗黒城で五人衆の一人、嵐遁使いの嵐鬼と戦う吹音と零奈


だが吹音が嵐鬼によって操られ、零奈に襲いかかってくるも吹音の相棒である月光の手により吹音は正気に戻ったのだった。


吹音「ぐふっ!? 」


月光「吹音!? 」


零奈「大丈夫ですか吹音さん!? 」


零奈を守るために吹音は嵐鬼の放った攻撃をまともに食らったのだった。


吹音「これくらい大丈夫です。それより零奈さんも大丈夫ですか? 」


そして零奈も吹音の一撃を食らったのだった。


零奈「私も大丈夫です。さぁ、ここから先は二人で嵐鬼を倒しましょう! 」


吹音「そうですね 」


ここから先は二人で戦うと意気込む二人


だがその時!


ビュビュンッ!!


吹音「!危ない!! 」


キキキンッ!!


吹音達目掛けて手裏剣が放たれたが


察した吹音によって全て打ち返されてしまった。


月光「まさか、かなり距離が離れてたってのに嵐鬼ったらもう追い付いたの!? 」


嵐鬼は自身の術を繰り出す準備のために吹音達から遠く離れていた。


その嵐鬼があれから数分もせずに吹音達に追い付いたのだった。


すると


バキンッ!!


一本の木が倒された瞬間!


嵐鬼「あ、とうとう見つけたぜぇ!! 」


バンッ!!


嵐鬼が姿を見せたのだった。


嵐鬼「まさかオイラの仮面を外すだなんてなぁ、こいつは驚きだぜぇ!? 」


とはいえ仮面を着けているため、その表情はわからなかった。


吹音「よくも私を操ってくれましたね!この怒りは数百倍にして返してあげます! 」


零奈「私だって怒ってるんですからね! 」


スッ!


嵐鬼に対して構える二人


嵐鬼「あ、バカを言っちゃいけねぇなぁ、そんな台詞はオイラの奥の手を見てから言いやがれってやんでい! 」


シュシュッ!!


嵐鬼は印を結ぶと


嵐鬼「あ、忍法・究極仮面変化の術ぅ! 」


ぶわんっ!!


嵐鬼の仮面が物凄い隈取り、額部分に『嵐』という文字が刻まれたものに変化すると


嵐鬼「あらよっと! 」


スッ…


嵐鬼が軽く走ろうとした瞬間!


シュンッ!!


吹音・零奈『!? 』


嵐鬼の姿が消え


嵐鬼「あ、ここにいるぜぇ! 」


バンッ!!


消えた嵐鬼が二人の後ろから現れた。


吹音「今のは一体!? 」


零奈「姿を消せるんですか!? 」


嵐鬼の術のすごさに驚く二人だが


嵐鬼「あ、そいつは間違いだぜぇ、オイラはただ単に走っただけだ。お前達の目にも止まらぬ速さでなぁ! 」


シュンッ!!


再び高速で移動する嵐鬼


零奈「奴は一体何処から現れるんでしょう!? 」


吹音「風遁使いである私でも見えないだなんて!? 」


風遁使いはそれだけでかなりの早さを持ち、吹音も忍の中では早い方なのだが、嵐鬼は吹音はおろか、一刀よりも早く移動していた。


そして


嵐鬼「おりゃーっ!! 」


ドカァンッ!!


零奈「きゃあっ!? 」


吹音「がはっ!? 」


そんな早さを持つ嵐鬼がぶつかれば、その威力は新幹線に轢かれるより威力が高いのだった。


嵐鬼「あ、オイラの早さの前に誰も太刀打ちできやしない!唯一太刀打ちできるとすればオイラ達五人衆を作り出した邪鬼様くらいだぜぇ! 」


ビュンッ!!


ドカドカァンッ!!


吹音・零奈『がっ!? 』


ドサッ!!


月光「吹音!?零奈!? 」


次々と繰り出される嵐鬼の突進にとうとう二人は倒れてしまった。


吹音「(奴のあの早さに対抗するためにはこちらも早くならなくてはならない、でも風遁・追い風は自身以外を早くしてしまう…) 」


何か対抗策を考える吹音だが、なかなか策は思い付かなかった。


するとその時!


零奈「早くて捕まらないのならこれならどう! 」


シュシュッ!!


零奈「木遁・森呼びの術! 」


バババッ!!


零奈は木を出現させてバリケードを作ろうとするが


嵐鬼「あ、そんなの無駄だぜぇ! 」


バキバキバキンッ!!


嵐鬼は木を破壊しながら突き進んでいった。


だがその時!


ジュウッ!!


折られた木が少し焦げているのを見た吹音は


吹音「(これです!) 」


スッ!


何か策を思い付き、立ち上がった。


シュシュッ!!


そして吹音は印を結ぶと


吹音「風遁・追い風! 」


ビュンッ!!


速度を上げる風遁・追い風を発動させたのだが


嵐鬼「おぉっ!! 」


何故か吹音が狙ったのは敵である嵐鬼であった。


零奈「吹音さん、一体何を!? 」


ただでさえ早い嵐鬼の速度を更に上げるだなんて無茶である。


吹音「今は私を信じてください!ハァッ!! 」


ビュンッ!!


吹音は更に気を送り、嵐鬼の速度を上げまくった。


嵐鬼「あ、こりゃすごい早さだぜぇ、もしかしたら邪鬼様にさえ勝てるかもな! 」


予想外の自分の早さに驚く嵐鬼


ちなみに今の嵐鬼の速度は光や音並みであった。


嵐鬼「あ、ありがとよぅ!お礼に楽に殺してやるぜぇ! 」


ビュンッ!!


更に物凄い早さとなった嵐鬼が吹音達に迫る!


キィンッ!!


嵐鬼「あばよぉ! 」


そして嵐鬼が吹音達に接近しようとしたその時!


シュボゥッ!!


嵐鬼「えっ!? 」


ボボォッ!!


嵐鬼「ぎゃーっ!? 」


何と!?嵐鬼の体が急に燃え出したのだった。


嵐鬼「い…一体何が起きたんでぃ!? 」


何故自分が燃えるのか理由を知らない嵐鬼


すると


吹音「早さというのは危険なものでしてね、一定の早さを越えてしまうと空気抵抗による摩擦熱で自然発火してしまうんです 」


嵐鬼「なにぃっ!? 」


その通りである。


人間が光や音並みの早さ(音速)で走ると空気抵抗による摩擦熱で自然発火し、燃え尽きて灰と化してしまうのだ。


嵐鬼「そのためにオイラを早くしたってのか!?おのれぇ!! 」


バッ!


策にはめられたことに怒った嵐鬼は燃え尽きる前に吹音に襲いかかるが


零奈「吹音さんには近づけさせません! 」


シュシュッ!!


零奈「木遁・木の実封印の術! 」


零奈が印を結んで術を繰り出すと


にょきにょきっ!


嵐鬼「な…何だこりゃっ!? 」


嵐鬼の体を植物の蔓が巻き付きまくり


バンッ!!


嵐鬼は木の実に包まれてしまい


嵐鬼「ここから出せぇ!!ぎゃーっ!? 」


封じられた嵐鬼は燃え尽きてしまった。


吹音「零奈さん、ありがとうございます 」


零奈「吹音さんが奴を倒してくれたおかげですよ 」


見事敵を倒した二人であったが


吹音「でも少し動けそうにありませんね!? 」


零奈「そうですね!? 」


バタンッ!!


月光「やれやれ 」


嵐鬼の攻撃を受け続けた二人は疲れて倒れてしまった。


一方、その少し前にて


ビュゴォーーッ!!


茜「さ…寒いです!?城の中なのにまるで冷蔵庫です!? 」


あられ『確かにちょっと寒いよね 』


葵「大丈夫二人とも 」


葵と茜が寒い部屋をさ迷っていた。


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