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第24話「限界」
現場。
規制線の内側。
警官たちが走る。
(動きは悪くない)
だが――
(遅い)
氷室が指示を出す。
「包囲しろ」
「逃走経路を塞げ」
部隊が展開する。
犯人が動く。
「いたぞ!」
若手が叫ぶ。
(反応はいい)
だが次の瞬間。
「右だ!」
「いや、左だ!」
混乱。
(読めてない)
犯人が抜ける。
「くそっ!」
氷室が即断する。
「二手に分かれろ!」
(無駄だ)
俺は言う。
「南だ」
氷室が一瞬だけ迷う。
(ここだな)
「……南を追え!」
部隊が動く。
数分後。
無線が入る。
「確保!」
沈黙。
空気が戻る。
氷室がこちらを見る。
「……まだ使えるな」
「当たり前だ」
短く返す。
だが――
(限界だな)
氷室も理解している。
「このままじゃ持たない」
「だろうな」
周囲の警官たちは息を切らしている。
判断が遅い。
動きも遅い。
(完全にズレてる)
氷室が言う。
「どうする」
少しだけ考える。
そして答える。
「壊す」
「何をだ」
一言。
「この構造を」
沈黙。
誰も反論しない。
(やっと気づいたか)
俺は現場を見渡す。
(ここから作り直す)
それしかない。




