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第20話「完全制圧」
「遅い」
その一言で、空気が凍る。
(……違う)
《スキル“犯罪解析”が強制起動》
情報が一気に流れ込む。
・起爆装置は二系統
・一つはダミー
・本命は別地点
(まだいる)
「離れろ!」
叫ぶ。
氷室が即座に反応する。
「どうした!」
「もう一人いる!」
公安が動く。
「位置は!」
視界が跳ねる。
(上だ)
「屋上!」
全員が走る。
階段を駆け上がる。
扉を蹴る。
屋上。
一人の男。
手に起爆装置。
(押すな)
「止まれ!」
男が振り向く。
そして――押そうとする。
(間に合う)
全力で踏み込む。
間一髪。
腕を弾く。
装置が落ちる。
静寂。
数秒。
――何も起きない。
完全停止。
氷室が息を吐く。
「……終わったな」
公安の男も言う。
「完全制圧だ」
(当然だ)
男を押さえながら、思う。
(これで終わりか?)
いや――
(違うな)
氷室がこちらを見る。
「次は何が来る」
少しだけ考える。
そして言う。
「もっとデカいのが来る」
公安が目を細める。
「どこまで見えている」
短く答える。
「全部だ」
沈黙。
その言葉が、現実になることを
全員が理解していた。




