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第2話「予測は、外れない」
「そこまでだ」
声をかけた瞬間、男の動きが止まる。
「……なんで」
振り返った顔に、焦りと動揺。
(予測通り)
「裏口から侵入して、南に逃げる」
俺は淡々と言う。
「全部、分かってる」
男が走る。
(右に曲がる)
分かっている。
俺は先に動く。
角を曲がった瞬間、男が飛び込んできた。
「なっ!?」
衝突。
体勢を崩させる。
「終わりだ」
そのまま取り押さえる。
抵抗は一瞬。
勝負にならない。
(弱いな)
だが重要なのはそこじゃない。
(全部、再現できてる)
男のポケットから鍵が落ちる。
(合鍵)
「内部関係者か」
男の顔が歪む。
(やっぱりな)
サイレンが近づいてくる。
だが――
(遅い)
警察が到着する頃には、すべて終わっている。
「なんで分かった……」
震える声。
俺は答えない。
(これは推理じゃない)
「再現だ」
静かに呟く。
その時――
「その逮捕、誰の指示だ?」
背後から声がした。
(……来たか)
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