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第1話「その犯罪は、17分後に起きる」
「17分後、この場所で窃盗が起きる」
俺はそう言った。
会議室の空気が止まる。
「は?」
「また始まったよ」
小さな笑いが漏れる。
係長が机を指で叩いた。
「根拠は?」
「ありません」
沈黙。
そして、ため息。
「話にならん。お前の予測は全部外れてる」
(違う)
外れているんじゃない。
「まだ起きていないだけだ」
一瞬、空気が凍る。
「……いい加減にしろ。現場を混乱させるな」
そして決定的な一言。
「今日からお前は窓際だ。資料整理でもしてろ」
――戦力外通告。
(予想通りだ)
時計を見る。
21時59分。
(あと18分)
席を立つ。
誰も止めない。
外に出る。
夜の空気が冷たい。
足は迷わない。
《スキル“犯罪解析”が起動しています》
頭の中で情報が繋がる。
・犯人:30代後半
・侵入:裏口
・逃走:南側路地
(全部、再現できる)
22時16分。
現場に到着する。
(あと1分)
静寂。
人気はない。
だが――
「……来た」
影が動く。
フードを被った男。
迷いのない足取りで裏口へ向かう。
(完全一致)
その瞬間、確信する。
「これは推理じゃない」
一歩踏み出す。
「未来の再現だ」
犯罪が始まる、その前に。
「止める」
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