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嘘
嘘は嫌いじゃない。
と言っても全ての嘘というわけではない。
誰も傷つけない嘘、誰かを守るための嘘、冗談や会話のタネとしての嘘に限る。
その他の嘘は嫌いだ。
特に誰かを傷つけるため嘘と自分を傷つける嘘は嫌いだ。
誰かを傷つけるため嘘は言わずもがなだが、自分を傷つける嘘が一番嫌いだ。
例え自分を傷つけることでその時誰かが救われたとしても、そのために自分を傷つけていい理由にはならない。
時として自分を傷つけてでも誰かを助ける必要があり、自分を傷つけなければ守れない場合があるのはわかる。
だが必要なのと、それを好きかは別だ。
もしも自分の家族や友人が自分を傷つけて誰かを守っているところを見たら、胸が苦しくなることだろう。
反対に自分が誰か大切な人を守る立場になったとする。
恐らくその時は自分を傷つくとしても嘘をついて大切な人を守ろうとするだろう。
嫌いなはずの自分を傷つける嘘のはずだが、いざそのシチュエーションに直面したら自分はその嘘をつく。
何ともジレンマだが、そういったところがあるから人間が好きだ。
ジレンマがあるから物語は面白い。




