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約束

 誰もいなくなった島で私はぼんやりしていた。人々が女神に祈りや願いを捧げると、絶えずその声が聴こえていた。その声を聞いていると胸が苦しくなった。誰の願いも叶えるつもりはないからだ。


 そんなある日、空に大鷲が飛んでいるのが見えた。あれは上級ダンジョンのレアドロップのペットの大鷲だ。

 大鷲はゆったりとこの島に近付くと、私の側に降り立った。降りて来た人物は佐伯だ。


「またお前は泣いているのか」

「泣いてないわ」

「嘘つけ、そんな顔をしているくせに。そんなに辛いなら人々の声なんか聞くな。人の身に神の力は重すぎるんだよ」

「これは私への罰なの」

「何が罰だ。一人でうじうじしやがって、ほら行くぞ」


 佐伯はそう言うと私を抱えて大鷲に乗せると、飛び立った。


「ちょっと待って、どこに行くの?」

「俺の国。お前が十六歳になるまでに、東方の大陸の小競り合いをしていた小さな国々を纏めて帝国を作った。魔力がほぼないから科学を発達させた。そこには神もいないからお前に丁度いいだろ」

「呆れた。全然会いに来ないと思ったら、そんな事をしていたのね」

「会いに行ってただろ、ミケの姿で。思い出したのか?」

「思い出したわよ。遊ぶ約束をしたのに、嘘つき!」

「嘘じゃないさ。これからいっぱい遊んでやるって。あ、そうだリュージョンも叶斗も俺の国にいるぜ」

「どう言うこと?リュージョンは獣人の里に行ったはずだし、叶斗は日本に転移させたはずよ?」

「獣人の里は東方の大陸にあるし、叶斗は俺の国に転移してきたんだ。あいつよっぽど帰りたくなかったんだな、イリスは俺の嫁だから諦めろって言ってやったら、それでもいいから居させてくれだと。二人とも側近として働いてもらっているが、いや有能だな」

「え?今なんて言ったの?」

「有能だな?」

「その前よ!」

「俺の嫁?」

「そ、そ、そんな事勝手に決めないでよね!」

「え?なんで?」

「私はハーレムの一員になるつもりはないし、好きな人の奴隷になるのも嫌なの!嫉妬深いの!浮気する男はお断りなの!面倒臭い女なのよ!」

「俺は浮気したことないけど、俺の国一夫一婦制よ?俺が制定したんだよ?勿論王族もって俺だけだけど、奴隷制度はないし、第一嫁に来いって言ってるのに、ハーレムってなんだ。え?好きな人?」


 あっ!うっかり口を滑らせてしまった。これはどうしよう。だんまりか?開き直るか?


「もう一度言ってくれよ、イリス」

「な、何の事かしら」

「俺の事を好きだと言っただろ」

「佐伯さんの聞き間違いでは?」

「なあ、いつまで佐伯さんって呼ぶんだ?昔はたきゅまって呼んでて可愛かったのに。あ、お兄ちゃんは却下な、結婚するから」


 私は顔が熱かったが、ひとつ気になる事があったので話題を変えた。


「ねぇ、レウィータが琢磨さんから預かった心の欠片はどうなったの?」

「分かりやすく話題を変えたな、まあいいけど。あれは三歳のお前に会った時に戻ってきたんだ。これは言いたくなかったけど、言わないと伝わらなさそうだから言うけど、婆さんが預かったのは俺の恋心だったんだ」


 そこで振り返って、琢磨さんを見ると顔がほんのり赤くなっていたので、私も黙って前を向いた。

 大鷲はそこで高度を上げた。もうすぐ東方の大陸が見えてくる。

 私が素直になれるのも、そう時間はかからないだろう。


 


拙作を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。小説の書き方も分からないのに、書き始めてしまって完結は無理かもと思いましたが、なんとかイリスの物語を終わらせる事ができてホッとしています。未熟な作品なので突っ込みどころは満載ですが。ラブストーリーのはずだったのに戦闘しかしていませんしね。ではまたいつか作品でお会いできることを願って。

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