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模擬戦

「さ、俺はいつでも準備は出来てるぞ。」

 

 木刀を持ち、道場でセインとフレンの二人の準備が整うのを持つ父上。

 二人はというと……。

 

「……フレン殿。」

「……あぁ。」

 

 セインは木刀、フレンは薙刀の木刀を構えている。

 いつもの稽古の時とは明らかに空気が違う。

 本気だ。

 殺気すらも感じてくる気がした。

 あれではどちらか一人を相手にしたとしても、セラと二人でやっても勝てないだろう。

 

「では、トール樣。」

「おう。」

「行きます!」

 

 先にセインが仕掛ける。

 が、父上はそれを難なく受け止める。

 

「ほう、強くなったな。」

「ありがとうございます!はっ!」

 

 鍔迫り合いとなっていたが父上はそれを弾き、セインはすぐに追撃の構えを取る。

 が、父上もすぐに構え直す。

 

「ん?」

 

 しかしセインはすぐに仕掛けなかった。

 その行動に疑問の表情を浮かべる父上。

 その一瞬の隙を突き、背後からフレンが薙刀を横に薙ぐ。

 

「おっと。」

「ちっ!」

 

 しかし、背後であったにも関わらずそれを難なく躱す。

 

「殺気がダダ漏れだぞ〜。」

「流石です!はぁっ!」

 

 フレンは更に追撃するが父上は後ろへ退き躱される。

 

「お前等二人の連携はやはり流石だな。流石は猛将フレンと剣聖の息子だな。」

 

 この時、私はその二つ名のようなものを素直にかっこいいと思ってしまった。

 後で詳しく聞こうと強く思った。

 

「ねぇ、今さ。」

「どうしました?姉上。」

 

 この模擬戦を母上と観戦していたセラと私は未熟ながらも見て学んでいた。

 姉上の武術の才は素晴らしく、自分ではどうあがいても敵わない程だろう。

 

「フレンがセインに攻撃が当たらないようにちょっとだけ待ったんだよね?だから躱されたんじゃない?」

「……成る程。」

 

 セインが追撃の構えを取り、父上が構えてからフレンの奇襲があるまでほんの少し時間があった。

 もしフレンがもっと早く攻撃出来ていれば結果は違っていたかもしれない。

 

「そう、セラの言う通りだ。」

 

 父上が口を開く。

 どうやら聞こえていたらしい。

 

「お前等二人の連携は凄いが、まだ互いに遠慮しているところがある。互いに信頼しきれていない証拠だ。セイン。お前の親父ならフレンの奇襲に合わせて攻めてきたぞ。」

「……。」

 

 その言葉に二人は何も言い返さない。

 図星のようだ。

 

「だが、二人共成長したな。……これなら任せられるな。」

 

 少し考えた後、口を開いた。

 

「先日、大規模な山賊討伐作戦に参加せよとの命令が下った。俺は精鋭数十名を引き連れて参陣する。フレン。お前も付いて来い。セインには領の守りと子供達の教育を頼む。」

 

 つまり、戦である。

 敵は山賊とはいえ、大規模ということは敵の規模もそれなりなのだろう。

 

「まぁ、安心しろ。ほぼ全ての領主が参陣する大軍だ。兵の数は一万を超えるだろう。」

「一万!?」

 

 かなりの数だ。

 たかが山賊討伐では無いのかもしれない。

 

「出陣は一週間後。留守の間は頼んだぞ。」

「はっ!」

 

 そのまま父上はその場を後にした。

 セラは不安そうにフレンの元に駆け寄り、抱きつく。

 

「フレン!……怪我しないでね?」

「ご安心下さい。猛将という渾名は伊達ではありません。私が居ない間、娘のレインとよく遊んであげてください。」

 

 フレンの娘のレインは同い年でたまに共に遊んでいた。

 フレンとは似ても似つかぬお淑やかな少女だった。

 というのも実は戦災孤児らしく、フレンが引き取ったらしい。

 つまり、フレンとレインに血縁関係は無く、家庭でもあまり上手く行ってないらしい。

 

「セイン。色々と聞きたいことがある。後で良いか?」

「はい。勿論です。」

 

 今回の模擬戦で色々と聞いてみたい事が出来た。

 別に急がなくても良いとは思ったが後回しにする必要もないと判断したのだった。

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