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家族

 毎日、稽古を終えると決まってセイン達も交えての食事となる。

 使用人は数多くいるが、セインとフレンはまるで家族のような存在であった。

 他の使用人は食事に参加しないが、この二人は殆ど毎回食事に参加している。

 

「奥様。本日も大変美味しいです。」

「そう?ありがとうね。お世辞でも嬉しいわ。」

 

 セインが母上の食事を褒める。

 確かに褒めたくもなる美味しさだが、父上の目線が気になる。

 セインが母上と仲良くするのが気に食わないのだろうか。

 

「……トール樣。ご安心下さい。別に変な気はありませんので。」

「……わかってはいるが、カルラの方がな……。」

「あら?もしかして浮気を疑ってるの?そう言えば、ここのメイドは若い娘が多いわね〜。誰が選んでるのかしら?フレンとも仲良くしてるらしいわね〜。どういう事かしら〜。」

 

 母上がわざとらしく喋る。

 そう言われてみると、確かに使用人は若い娘が多かった。

 どうやらここの屋敷の使用人は父上が選んでいるようである。

 フレンとも仲は良さそうであった。

 このセインとのやり取りは母上なりの仕返しだろうか。

 

「い、いや、別に他意は無いぞ!フレンとはセラのことで話していただけだ!それに若いのが多いのはセラの為で……。」

「カルラ樣。あまりいじめては可哀想ですよ。私については、ご理解頂いているはずでしょう?」

「……まぁね。」


 流石にフレンが止めに入った。

 まぁ、父上が浮気をするわけは無い。

 母上にぞっこんだからである。

 因みに母上も父上にぞっこんで未だに相思相愛で、見ているこっちが胸焼けしそうな程である。

 皆の前では隠しているつもりだろうが、私にはバレバレであった。

 フレンの発言については、予測すらつかない。

 何を理解しているというのか。

 いずれ話してもらえることを期待しよう。

 

「それにしてもセラ様の上達は凄まじいですね。もう少し鍛えれば戦に出ても活躍出来る程かと。」

「……そうか。だが、まだ戦に出すつもりはない。流石に早すぎる。」

 

 父上はこちらを見た後、セインに目線を合わせる。

 

「アルはどうだ?」

「……そうですね。武術の上達はそれなりに。軍略については物覚えが良く、私も驚いています。」

 

 すると父上は一瞬、少し複雑そうな顔をしたがすぐに笑顔になった。

 

「そうかそうか。それは良い。やっぱり俺の自慢の息子だな。」

「……父上はお強いのですか?」

 

 そこが少し気になっていた。

 セインやフレンの話を聞き、何となくはわかっていたがどれ程強いのだろうか気になっていた。

 父上が武術の稽古をしている所を見たことが無かったからだ。

 

「そうよ!私も気になってたの!フレンがお父様には敵わないって!いつかは超えてやるって言ってたわ!」

「セ、セラ樣!?」

「そうかそうか、二人共気になるか。じゃあご飯を食べ終わったら俺がセインとフレンを相手に模擬戦を披露してやろう。」

 

 その発言を聞き、セインとフレンは動きが止まる。

 

「わ、私もですか……?」

「あなた?流石にそれは……。」

「そうですよ父上。いくら父上でも流石にそれは厳しいのでは?」

 

 その言葉に母上は首を横に振った。

 

「いいえ、アル。私が言ってるのは……。」

 

 母上は視線をセインとフレンに合わせる。

 

「この二人が可哀想って話なの。」

 

 私は隣に座るセラと顔を合わせた。

 この時、どうやら思っていることは同じだったようだ。

 

(そんなに強いのか……。)

 

 見てみたい。

 そう思ってしまった。

 セインとフレンの模擬戦は幾度となく見てきた。

 結果は五分か若干フレンの方が上かといった所で双方とも高い技量を持っていることが素人目にも分かるほどだった。

 その二人が可哀想というのだからどれほどまでに強いのか、気になってしまった。

 気が付けば私は誰よりも早く食事を済ませていたのだった。

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