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内通者

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「くそっ!何がどうなっている!?」

「分かりません!ですが、離脱するなら今しか……。」

 

 敵と戦いながら仲間を救い、同じように活動していたセインとも合流した。

 我が領の兵は精鋭で幸い、被害は少なかった。

 先程からずっと戦っていたが、何故か攻撃の手が緩んだ。

 

「っ!トール樣!」

「なんの!」

 

 先程から散発的に敵に遭遇しては撃退するを繰り返している。

 至る所で剣戟の音が鳴り響き、この砦全体で騒ぎが起きているのが分かる。

 そして、敵は公王の謁見の際に見た兵達である。

 つまり、公王に近しい者の兵だ。

 やはり、アルの言う通りであった。

 

「トール樣!あれを!」

 

 敵を切り倒しながら、セインが叫ぶ。

 セインが指を差した方向を見ると、そこにはレイナン家の旗印があった。

 塀から旗だけが見えているが、こちらに近付いてきている。

 

「……クロウか。」

「トール様。この状況、誰が敵で、誰が味方かわかりません。ご注意を。」

 

 そうこうしていると物陰からクロウが兵と共に出てくる。

 今さっき襲撃してきた敵を無力化したところだと言うのに休まる暇が無い。

 味方であれば一番良いのだが。

 

「居たぞ!反逆者、トール・エルドニアだ!各々方!手柄をあげよ!」

 

 様子を見ているとクロウが叫ぶ。

 ……どうやら、敵のようだ。

 

「クロウ!」 

「……。」


 クロウは静かにこちらを見ている。

 が、あることに気が付く。

 今押し寄せてきている兵はクロウの兵じゃない。

 恐らく、どこかで合流したであろう公王の手勢だ。

 クロウは公王の兵がこちらを見ていないことを確認し、手を挙げた。

 

「かかれ!」

 

 すると、クロウの兵が一斉に刀を抜き、公王の兵へと襲いかかる。

 

「今だ!こっちも行くぞ!」

「き、貴様!どういう……ぐはっ!」

 

 公王の兵達の指揮官は成すすべなく討ち死にする。

 我々もクロウと動きを合わせて攻撃した。

 我々の部隊と合わせて挟撃される形となった公王の兵は瞬く間に殲滅された。

 

「すまんな、トール。」

「クロウ……。どういう事か説明してもらうぞ。」

 

 すると、クロウは山賊の拠点の方を見上げた。

 

「狼煙……?」

「そうだ、時が来たようだ。トール。貴様を救助せよとの命令が下っている。ついてきて貰うぞ。」

 

 思わず、セインの方へ目をやる。

 

「……今はそれしか無いかと。」

「そうだな……。分かった。付いていこう。」

 

 その場をさろうとした時、追手が現れた。

 先程よりも数は多い。

 

「いたぞ!」

「レイナン家はどうしますか!?」

「構わん!この状況、誰が味方か分からねぇ!全部纏めて始末しろ!」

 

 彼等はレイナン家の隣の領の兵だ。

 あの発言からすると、どうやら事態はかなり混沌としているようだ。

 

「さぁ行け!あの狼煙の下へ!足止めはまかせろ!」

「お前は!?」

 

 すると、クロウは笑ってみせた。

 

「このような所では死なん!俺にはやるべきことが出来たからな!姫様によろしくな!」

 

 成る程、何となく状況の予測がついてきた。

 ならば、取り敢えず今は戻るのが先決だろう。

 自領も心配だが、離脱できそうにないし子供達はあそこにいるようだ。

 まずははやく顔を見せてやらなければ。

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