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演習 決着

「敵本陣が見えたぞ!」

 

 敵の別働隊を蹴散らした後に敵本陣があると思われる地点へ急行する。

 予めの作戦であればレインが既に仕掛けている筈だ。

 

「見えました!」

 

 すると、眼の前には乱戦状態となっている敵の本陣が。

 しかし、どこか様子がおかしい。

 元々レインの部隊とセラの本陣は数で言えばレインの方が僅かに少なかった。

 奇襲の形を取ったこちらが優勢になるはずだが、明らかに騎馬兵の数が少ない。

 つまり、レイン側が押されている。

 まさか……。

 

「アルフレッド様!申し訳ありません!」

「レイン!どうした!?」

 

 すると、混戦状態の敵本陣の中からレインが出てくる。

 味方の騎馬も続々と引き返してくるが、数は少ない。

 損耗が激しいようだ。

 

「敵本陣へ奇襲を仕掛けたのはよろしかったのですが、セラ様自らが槍を振るいだすと、戦況はみるみる内に悪くなりました。申し訳ありません……。」

「……そうか。」

 

 やはり、個の武ではレインがいても敵わないか。

 そもそもレインの力を掌握してないからな。

 仕方が無い。

 

「よし、姉上の足止めを私とレインでやる。その他の部隊は敵歩兵を蹴散らせ!」

「はっ!」

 

 こちらの総数は損耗して、三百程度。

 向こうは二百程か。

 つまりはセラさえ足止め出来れば勝てる。

 レインと共に敵陣へ突入する。

 すると、敵陣の中央で自ら槍を振るうセラの姿があった。

 

「来たわね!アル!」

「姉上!今回は負けませんよ!」

 

 すると、セラはレインの存在に気付く。

 先程の奇襲では気が付かなかったようだ。

 

「ちょっとレイン!何であなたがそこにいるのよ!今回の演習には参加しないって私に言ったじゃない!」

「い、いや〜何ででしょうか〜。」

 

 レインはあからさまに目を逸らす。

 どうやら何かしたらしい。

 父上に賄賂でも渡したのだろうか。

 そこまでして何故私の陣に加わりたかったのか分からない。。

 ……そうか、セラと勝負がしてみたかったのか。

 

「レイン、すまんな。今回は我慢してくれ。」

 

 ぽんと肩に手を置く。

 

「ひぃっ!な、何がですか!?」

「おっ!?すまん!そんなに驚くとは……。」

 

 すると、レインは急にブツブツと一人で喋り始める。

 少し軽率な行動過ぎたか。

 

「お、推しに触られた……。」

「レ、レイン?」

 

 すると、仲良さそうにしているのが嫌だったのか、急にセラがレインに斬り掛かってくる。

 が、レインはすぐにいつもの冷静さを取り戻し、躱した。

 

「何イチャイチャしてんの!アルは私のなんだから!」

「……余韻を邪魔しないで!」

 

 実はレインはセラとかなり仲が良い。

 親友と言っても過言では無い。

 普段は敬語など使わないのだ。

 そして、互いに癖が分かっているせいか、良い勝負をしている。

 が、若干レインが押されている。

 技術力ではセラの方が上か。

 

「っ!」

「流石は姉上。でも、まだまだ!」

 

 不意打ちを仕掛けるが、間一髪で躱される。

 レインと二人がかりで攻めても決定打は打てない。

 だが、着実に疲労を蓄積させている。

 レインとの連携により、倒す事は出来ずとも本来の目的である足止めは出来ている。

 

「はぁ……。勝てそうに無いわね。降参よ。」

「え?」

 

 すると、セラは武器を捨てた。

 気が付けば周囲にはギャラリーが出来ていた。

 皆私の兵だ。

 いや、所々にセラの兵も見かける。

 降伏したのか、既に決着はついていたようだ。

 

「いつの間にか全滅させられてたのね。私の負けだわ。」

「……よしっ!」

 

 思わずガッツポーズをしてしまう。

 まさかここまで上手くいくとは。

 相手がフレンだったらこうまで上手くは行かなかっただろう。

 だが、勝ちは勝ちだ。

 

「おめでとうございます。アルフレッド様。」

「いや、レインのおかげだ!ありがとう!」

 

 思わず抱きついてしまう。

 今回の演習、正直勝てるかどうか不安で仕方が無かった。

 これで、私の努力が認められるだろう。

 父上も安心して初陣に出せるだろう。

 

「ア、アルフレッド様!離れて下さい!」

「す、すまん!」

 

 ……昔はもっと仲良くしていたのに、駄目なのか。

 が、離れた途端、私とレインの間に刀が振り下ろされる。

 今度は真剣だ。

 流石はレイン。

 危機察知能力が桁違いだ。

 

「あ、姉上!危ないですよ!」

「うるさーい!イチャイチャするな!アルといちゃいちゃして良いのは私だけ!」

「セラ様!それはずるいです!私も……。」

 

 そう言うとレインは我に帰る。

 顔は真っ赤であった。

 

「い、いや、ずるいというのはてすね……。えーと……その……。」

「いいから!もう良いから離れて!」

 

 分からない事だらけだが、まぁ別に良いか。

 取敢えず、コスモの頭を撫でてやる。

 

「ありがとな。無茶させて悪かった。またよろしくなー。」

 

 その姿を見て、二人は呆れ果てていた。

 

「……まぁ、暫くは大丈夫そうね。」

「でも、あれはあれで問題じゃない?姉として何とかしたほうが良いんじゃない?」

 

 何はともあれ、演習は勝てた。

 これなら初陣も問題無いだろう。

 早く父上に報告しに行かなくては。

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