演習 開戦
菊花賞!
勝つのはダービー馬か、無敗の菊花賞馬か!
はたまたそのどちらでもないのか!
(内容には関係ありません。)
「フレン。いよいよ始まったわね。なんだかんだ言ってアルの指揮の力を見るのは初めてね。」
「はい。決して侮れません。」
戦の始まりを告げる太鼓の音が鳴り響く。
それと同時にあらかじめの作戦通りに軍が展開していく。
「私達の作戦は数の有利を活かした戦術。本陣を四百。その他部隊をそれぞれ三百ずつにわけ、アルの本陣を挟撃する。」
「はい。アルフレッド様がどのような策に出るか分かりませんが、本陣の数は多くても三百でしょう。展開する部隊はそれぞれ百と言ったところでしょうか。」
少し話をすると、フレンは馬に乗った。
「では、私も行きます。」
「ええ、頼んだわよ!」
正直、フレンを最前線で戦わせるのは心が引けた。
が、勝つためにフレンが遠慮はしないで欲しいと言ったのだ。
だから、遠慮はしないことにした。
「さて、私も準備しますか。」
「……いたぞ!」
敵本陣を挟撃するために一部隊を指揮して数時間後。
ようやく敵と接敵した。
私達の部隊は敵と接したら殲滅して良いと言われている。
猛将の腕の見せどころだ。
しかし……。
「やはり、追いつけないか。」
相手は騎馬。
こちらは歩兵。
機動力で叶うはずがない。
どうしたものか。
「……幸い、別働隊との距離はそこまで離れていない筈だ。連携して殲滅する。伝令をだせ。」
少々姫の立てた作戦とは変わってしまうが大丈夫だろう。
どう足掻いても敵は数では勝てない。
突飛な作戦でもない限りは……。
……姫からは臨機応変に動けと言われている。
しかし……。
「何か嫌な予感がするな……。」
「敵は罠にかかったようですね。流石はアル様。」
私達は騎兵を二百、連れている。
アルフレッド様の策に引っかかればセインさんの負担が増えるが、勝てる見込みが出る。
「レイン様!準備はいつでも出来てます!」
「うん、そろそろ頃合いですね。全軍、静かに動きなさい。決して気付かれないように。」
私達が気付かれては元も子もない。
あとは、アルフレッド様のご活躍に期待するしか無い。
それにしても……。
「はぁ……。」
懐からアルフレッド様の姿が描かれたロケットを取り出す。
「……やっぱりかっこいい!こんな作戦を思いつくなんて流石はアル様!推せるわ!そして、セインさんとの信頼関係……。どっちが受けかしら……。やっぱりアル様?いやいやここは逆にセインさんが受けというのも……。」
そこでふと我に帰る。
周りの視線が冷たい事に気付く。
「……今の事を口外すれば殺します。本気ですよ。」
その言葉を聞くと皆は視線を合わせようとしなかった。
そして、皆無言で進軍を再開した。
「さて、頑張りますか!」
「よしよし、かかったな。」
後方から敵が追ってきている。
やはり、本陣は動かないと思い込んでいるようだ。
追ってきているのはフレンの部隊か。
作戦は全て順調。
そして、乗っているのは愛馬トップコスモス。
名を改めコスモとした。
こいつとならば相手がどんな強敵でも、どんな戦場でも駆け抜けられる。
「全軍!気を抜くなよ!勝負所はここからだ!」
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