成長
「姉上!行きますよ!」
「ええ!」
あれから二年。
特に何事もなく時は過ぎ、私達姉弟は成長していった。
あの夢もそろそろ続きが気になる。
「はぁっ!」
「踏み込みが甘いよ!」
一気に詰め寄り木刀を振り下ろす。
が、セラは難なく後方に退き躱す。
「今度はこっちから!」
攻撃した隙を突かれる。
が、なんとか受け流すことに成功するが、スレスレだった。
「ちょっと姉上!今当てる気だったでしょう!」
「当たり前じゃない!それくらいでやんなきゃね!っと!」
さらに追撃が来る。
私はそれを受け流すのに精一杯だった。
「はぁっ!」
「っ!まだまだ!」
セラの攻撃で木刀が弾かれ、手を離れてしまう。
が、攻撃を喰らう覚悟で詰め寄り、組み伏せようとする。
「中々やるわね!でもっ!」
「くっ!うわっ!」
逆に組み伏せられてしまった。
「そこまで!勝者はセラ様です!」
そこでセインの止めが入る。
確かに、ここから勝つのは不可能だ。
「さぁ、負けた方は勝った方の言う事を何でも聞くって話だったわね?」
「……さぁ、なんのことやら。」
セラの力は強く、どう頑張っても逃げ出せられない。
そして、こういう時にセラが要求してくることは決まっている。
「結婚しよう!」
「嫌です。」
即答する。
いや、即答するしか無いだろう。
「何で!?私の事嫌いなの!?」
「いや、姉上はお綺麗ですし、強くて尊敬もしてますけど今更異性の女性としてみるのは……。」
すると、嬉しいのかセラは顔を赤らめながら首を締め、揺さぶってくる。
「だったらなーんーでー!」
「し……しぬ……。セイン!」
そこで、流石にセインの止めが入った。
というかこの試合は勝敗はわかりきっていた。
絶対にセラが勝つに決まっている。
「さ、セラ様。今日はこの辺りにしておきましょう。」
「うぅ……。」
セインも稽古を続けているようで、剣聖と呼ばれた父に追いつこうと努力している。
もうかなりの腕前だ。
セラと私が二人がかりでも勝つのは難しいだろう。
「姫様!アルフレッド様!トール様がお呼びです!」
「フレン!分かったわ!」
そこにフレンが現れる。
フレンはというと、右目と右腕を失いつつも猛将としてセラを守り続けている。
腕と目を失ったペナルティを感じさせない程の強さで、少し前までセラの稽古も続けていた。
ここ最近はセラがフレンに追いついてきており、セインが指導することが増えたが、五体満足ならばまだまだ敵わないだろう。
そもそも、猛将の称号は一軍を指揮する能力が優れている者に与えられる物らしく、本当の才能はそちらにあるらしい。
「急いでいた様子?軽く汗を流してから行きたいんだけど。」
「いえ、特段急いではおられませんでした。」
すると、セラはこちらを満面の笑みで見てくる。
「じゃ、さっきの賭けの命令!アル!一緒にお風呂入ろう!」
「嫌です。」
そう発言すると明らかに不満がる。
「むー。賭けの意味無いじゃないの。」
「いくら拗ねても無駄ですよ。もう少し自分の立場を理解して下さい。」
すると、セラは少し顔を赤らめながら不機嫌そうにしつつ口を開く。
「……やっぱ異性として見てるんじゃん。昔は一緒に入ってたのに。」
「そ、そう言うことでは無く、本来の立場の自覚を……。」
正直に言おう。
セラは体の凹凸が、少ない。
女性的な体つきをしてはいないが、私的にはそちらが好みなので、いよいよ辛いのだ。
正直に言おう。
所謂ドストライクというやつである。
異性として意識しないようにするのにも疲れる。
「いくら急ぎでは無いとはいえ、父上を待たせてはなりませんよ!私は先にもう行きます!」
「え!待ってよアル!」
疲れる。
訓練もそうだが、血縁関係に無いと分かった途端に好意をさらけ出すようになってきた。
悪い気はしないが、とても疲れる。
早く対策を練らなくては……。
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