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入学前夜
4月1日。
嘘のような日に生まれた俺こと瀧聖一の16歳の誕生日。
嘘だと信じたい言葉を両親から聞かされる。
「お父さん、クビになりました」
「・・・は?」
エイプリルフールを疑うが両親の顔は真剣そのもの。
「えっといきなり言われても。ってか何で」
「会社の社長の汚職で巻き込まれた形になる。で、でも心配するな。お前が学校卒業できるくらいには余裕があるから今すぐにどうにかなるってわけじゃない。せっかくあの学園に入れたんだ。こんなことで台無しにするつもりはない。だけど父さん達はとりあえず知り合いの会社にお世話になるから悪いが一人暮らしさせることになるがいいか?」
こうして。
入学式を控えた瀧聖一の波乱万丈の物語が始まる。