試練の前に…世界や宇宙が少し心配
「わわわ、私の、めめめ目の前にぃ 超人気声優 神村悠輔がぁああああー!」
召喚してくれた女神さまに言われるがまま、主神さまに面会した訳だが(ずいぶん待たされて)
のけぞり、悶えるめちゃくちゃ美しくてオーラ半端ない「主神」さまの驚きな反応に???
召喚女神さまを見ると…
「え?・・・えへへ?」
あ、笑顔で誤魔化しつつ視線逸らされた。
よく分からないが、この神界?で俺の現世な声優とかアニメとかゲームが大人気?らしい…?
時間の概念など無い世界なハズなのに、りあるたいむ視聴とやらで推してきたとか?
ブームな火付け役は、召喚女神さまだと言う。
うん、遠い世界で人気があると言うのも…ありがたい事だ。声優冥利に尽きるだろう。
本心からそう思う。…生きているときに知れていれば、もっと好かったのだが…
「初めまして。地球?で声優をやらせてもらっています、神村悠輔です。この世界で
もっとも尊いお方と聞きました。…現世でやり残した事があり、主神様にお慈悲を賜りたく…」
「この声、この姿…本物だー!!て言うか、何で 「かみ様」が〇んでこっちに転生しているの?
あの続きはどうなるのよ?担当は何してたの?やだやだやだやだー!!こんなのヤダー!
認めない認めたくない!こうなったら、もぅ…全宇宙をリセットするしかぁー!」
(…俺の仕事は無駄ではなかったと思いたいが、…全宇宙規模とか…さすがに重過ぎない?)
「お、お待ちを!…リセットでは、本当の続きは観られません。回りくどいようですが、しん…
神村さまに、復活な試練を乗り越えて戴くのが賢明かと…」
・・・
3秒くらい世界の時間が止まっていたような気がする。
「…はわわわわ…ゴホン、お前は愛の女神だったな。そうだな、なるほど。事態とか現状は分かった。
よくやった、でかした。マジ有能!褒めちゃう!めっちゃ褒めちゅ…褒めちゃう。
落ち着く―落ち着け―!わたくし!…すーはーすーはー…はっ!今、かみ様と同じ空気を!」
今、宇宙とかが救われたっぽい?が…ちょっと何を言ってるのか分からなくなってきたぞ、おい。
「本当は、わたくしの力で命の35人や350人くらいどうとでもなるのですが…
12の試練を受けてもらわないと、あの方やあの方達に申し訳立たないのも確かなので…」
「と言うと、ボク以外に先任者が?」
「大きな声では申しませんが、あの全宇宙規模で人気なアニメの主人公声優さまは既に3回
試練を乗り越えて現世に復活されてますね。もちろん、逆もまたしかりです」
「(マジか…。あの年齢であの元気さはどう考えても不思議だと)…納得いたしました」
「では、かみ…神村さま。…ごほん、神村悠輔よ。我が名において12の試練を与える。
全て乗り越える事ができれば、お前は自分の世界に帰還できるであろう」
「身に余るお言葉、恐悦至極に存じます」
とにかく、死に戻る第一歩!多少有利な状況?には変わりあるまい…何としても、あの最終回に…
「…その代わり…この「かみ様」抱き枕に、サインしてください!あと、この限定目覚ましボイスに
「ボクの可愛いハナヨ」とボイス登録を!」
「あー!ハナヨさまズルいです!私もお願いします!超限定1だった1/1フィギュアにもサインをー」
「あー、待てマテ愛の女神よ、聞き捨てならん!どうやってアレを買った!?
そう簡単に買えるわけが・・・」
「ちゃんと現地のお金を稼いで買いましたよ!」
「他の世界への現金介入は禁足事項だ!」
「ま、まぁまぁ、チラ見せしてあげますから大目に見てください!ちゃんとパンツも穿いてて」
「ふふーん、わたくしが競り落としたあの衣装に着替えさせて撮影させてあげてもよくってよ?」
「まさか10周年記念のイベント衣装!?どうしても私が欲しかったのに、あの落札者HANAが
あんたかー!何て、おとなげないっ!」
「値段を釣り上げ続けたARURUは、そう言うお前かー!」
んー、いいかげん、それは本人の前でする話なのかな?今までの自分に…ちょっと
少し、自信が無くなってきたぞ。