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学校と僕。  作者: 奏良
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終わらない

生徒会存続決定から、もう一週間がたとうとしている。


あのあと、教頭と、教頭の意見に賛成し、勝手に生徒会をつぶそうと考えた先生たちは、校長にかなり叱られたらしい。

当分の間、僕ら執行部を見るだけで青い顔をしていた。

もちろん、生徒会も、執行部も続いている。

僕も、会計の仕事を必死でこなしている最中だ。

あ、そういえば、執行部で咲いた恋の花のことだけど、

強気ではっきりとしている中田は他校の彼氏といい感じに続いているらしい。

おっとりしててなごませられる如月と、最初に僕のことを見抜いてくれた和倉は仲良く隣のデスクで話し中。

こっちが生徒会長なんじゃないかと疑わしくなる田口と、ハイテンションだけど一緒にいて元気になれる江桜は、どうやら教育について議論(江桜は不明発言ばかりだが)を交わしているようだ。

佐崎は・・・実のところ、僕は佐崎と泰葉が手をつないで歩いているところを目撃している。

良かったな、佐崎。僕は本心からそう思った。

え?人のことばかり言わず、自分はどうかって?

僕は、まだそんな恋愛的なことは考えていない。

もっと、壁が・・・人との壁が必要なくなったら、きっと自然に好きな人とか、できると思う。

僕は、違うことを考えている。

そう、今僕は、学校について考えているんだ。


「どうして学校に行かなきゃだめなんだよ?」


誰も答えてくれなかった疑問。

今は、なんとなくわかる気がする。

学校に行くのは、学ぶため。

もちろん、勉強のこともあるだろう。

でも、それだけじゃない。

人との関わり合いとか、会話とか、そういうことを学ぶための場なんだ。

そんなことを学ぶために、僕らは学校へ行く。

学校が楽しいと感じられるようになったら、学ぶのも楽しくなる。

勉強が楽しくなるかどうかはわからないけれど、学ぶのもきっと楽しくなるはずだ。

僕は、そんなことを、執行部に入って学んだ。

入っていなかったら、学べなかった。

この学校に来ていなかったら、ずっとひきこもっているだけだった。

だから、この学校の生徒も先生も、笑って過ごせるようにしたい。

それは、僕の「夢」だ。

まだまだ遠いけれど、僕は夢をかなえるため、毎日過ごしている。


「さぁ、がんばるか!」

佐崎が勢い込んでいった。

僕らは笑い合った。

みんなの笑顔がキラキラと輝く。

僕は窓から空を見上げた。

窓の外で、父さんと母さんのイメージが映る。

「お前らの時代は、まだまだこれからだぞ」

父さんの声が聞こえた気がした。

「あぁ、そうだな、父さん」

僕はぽつりとつぶやいた。

そう、僕らの時代は、まだ、始まったばかりだ。


END

長らくのお付き合い、誠にありがとうございました。

これからも奏良をよろしくお願いいたします。


尚、感想、アドバイス等ございましたら、お気軽にお申し付けください。

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