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学校と僕。  作者: 奏良
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「・・・」

不意に、校長が目を開けて、僕らを見上げた。

緊張が走る。

「・・・何の話をしているのか、わからないんだが・・・」

だが、校長の口から出た言葉は、心底意外なものだった。

「え・・・?」

僕らは口をポカンと開けたまま、教頭を見る。

教頭は、バーコード禿のせいでよく見えている頭皮までもが青ざめていた。

「だって、生徒会活動を中止にするって、職員会議で決まったんじゃ・・・」

見ると、ほかの先生の中にも、顔が真っ青にっている人と、ぽかんとした表情で僕らを見ている人がいた。

「私は、そんな話一言も聞いていないよ」

校長が教頭を睨む。

青ざめていた先生たちはおびえたように立ち尽くす。

「こ・・・校長には、後で連絡しようと・・・」

「後じゃ遅いだろう!」

校長が机をバンと叩いた。

「大体、学校は生徒と教師で支えあって作っていくものだ。

それで生徒会をつぶすなんて、一方的に教師が押し付けるようなのは、教育とは言わん!」

いつも、おっとりしていて、やさしい校長が怒っている。

なんだか、怒った感じが佐崎と似てるな・・・

僕はのんきにそんなことを思ってしまった。

「私は生徒会をつぶす気なんか、これっぽっちもないよ」

校長が僕らを見て目を細めた。

「ってことは・・・」

あんなに騒がしかった職員室が一気に静かになる。

僕らは顔を見合わせた。



「ばんざーい!」


僕らの生徒会が、守られた瞬間だった。




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