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終わりの始まり

 今日は六月二十日だ。

 正確に言えばVFOの正式サービス開始から三年目の六月二十日だ。

 今日は土曜日で俺は朝からログインしていた。

 ゲームの正式サービスが始まって三年、月日が流れるのは早いものだ。

 ゲームを始めたころは高校一年生だった俺も今では大学一年生だ。

 今では俺は伝説のプレイヤーとして、VFOの生きる伝説になっている。

 初クラン戦で一人で全員蹴散らしたとか、大会五連覇で出禁とか、レイドボス一秒未満で排除とか、上げていけばきりがない。

 掲示版では専用のスレが立つほどの人気っぷりだ。

 当然俺を真似する者は多いのだが、相変わらずガンナーは不遇職として扱われている。求められるプレイヤースキルが高すぎるのだ。

 そんな訳でガンナーの数は少ないままだ。

 まあ、そんなことはどうでもいい。

 俺はこの開始から三年という記念すべき日に、新たなる伝説を立てようとしていた。

 だが、この伝説を立てようとすることに俺は半年費やした。

 覚悟の問題だったが、それだけかけるものは大きかったのだ。

 半年前、俺はレベルを9999まで上げてカンストさせた。

 そして俺は終焉の地と呼ばれる場所で、ついにラスボスと対峙すること一歩手前までいった。

 しかし俺はラスボス戦前のメッセージを見て引き返した。

 

『ラスボス邪神ゼレキアス戦では敗北すると存在が抹消されます』


 存在が抹消される。つまりはセーブデータが消されるという事だろう。

 俺は二年半もVFOの世界を楽しんで来た。ガンマのキャラにももちろん愛着がわいている。セロという愛猫もいることだし、俺は怖気づいてラスボスと戦うのをやめたのだ。

 そこからはスキルあげをすることでゲームを楽しんで来た。

 しかし、ラスボスを除けば最強敵だと自分が思っている奴も瞬殺できるようになり、スキルも強くなることがなくなって来た。

 俺は三年掛けてVFOの世界を極めてしまったのだ。

 ちなみに他のトッププレイヤーのレベルは2000とかだ。

 発売当初から毎日やっている人なら1800ぐらい。

 課金廃人で2500ぐらいだ。

 俺は突出した存在になりすぎた。

 残る敵はラスボスだけなのだ。

 そしてラスボスに三年目という今日、挑もうと思っている。

 朝はこのデータで遊ぶのは最後になるのかも知れないので、仲のいいフレンドに挨拶することにした。

 俺のフレンド関係は最初の三か月から余り増えていない。というか全然増えていない。

 あえてフレンドに挨拶するのなんて、アスール、マジョリナ、パパラッチぐらいか。少ないな。まぁ、ゲームの楽しさはフレンドの数には俺の場合比例しないからいいか。

 オンラインゲームなんだけどな、これ。

 俺は頭にセロを乗せると、まずはアスールの店に行くことにした。

 神器転移石を使い「転移、アスールの店」と唱える。

 神器転移石はレアリティ1000の神アイテムだ。

 レアリティが最大1000と言えばどれだけすごいか分かるだろう。

 口にした場所に行けるアイテムなのだが、どこでも行けるし、戦闘中でも使えるし、使っても無くならないし、行ったことのない場所でも行けるし、ラスボスのいる邪神殿の中以外なら完璧に転移できる代物なのだ。

 アスールの店は移転して商人の町、アスガルドにある。

 商人の町アスガルドはレベル600のモンスターが住まうあたりにある町で、ここに行けば大抵のものが買えるといわれている。

 プレイヤーが作った町で、アスール達商人が作ったクラン、オオキニの拠点でもある。

 俺はアスガルドの一等地に建てられたアスールの店の前にいた。

 俺は今のところ、混沌虹気(カオスプリズムオーラ)というデメリットがある代わりにダメージ25倍というオーラを纏っている。

 黒と白を基調としたオーラで、見る角度によってはプリズムが見えるオーラだ。

 そのため非常に目立つ。

 

「おい、あれって行ける伝説じゃないか!?」


「マジで! ほんとだガンマさんだ!」


「ここにいるってことはアスールさんに用がある感じなのかな」


 俺がいるだけで周りがざわつく。これも有名税というやつか。

 悪い気分ではない。


「聞け! 俺は今日という三周年記念にとうとうラスボスに挑むことにした。俺の目で生放送しておくから映画館に今のうちに行っておくんだな!」


 さらに周りがざわつく。

 映画館とは十倍加速度空間で生放送などが見れる施設だ。主にゲーム実況者のリアルタイム実況などを見るためにある。

 俺も何回か俺目線で生放送をしている。この機能で俺はいくつもの伝説を作り上げてきたのだ。

 

「ラスボス!? あの負けたらデータ消されるっていうあれか!」


「とうとう挑むのか、また新しい伝説が出来るな!」


「早く映画館に行かないと!」


 俺の宣言に次々に周りのやじ馬が転移していく。

 映画館は数に限りがあるからな、生放送なら普通に見ることが出来るが、十倍加速度空間で見るのは映画館でしかできない。

 俺はその光景を見て満足すると、アスールの店に入る。


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