予兆
あれから、幾何かの日にちが過ぎた。
俺は第零の町セロでレベリングをしたり、エクストラアーツを取得したり、呪いのアクセサリーを上位互換の物に変更したり、さらに上の職業ガンナイトに転職したりした。
今日もレベルを上げようと第一の町ウノから第零の町セロに転移しようとした時のことである。
運営インフォメーションの通知がやってきた。
『第十のボス、レジェンドソルジャーが撃破されました。
これにより、フィールドウォールを撤去するとともに町転移が不可能になります。
全てのフィールドがつながったことに記念としてクラン対抗戦を行います』
『クラン対抗戦のお知らせ 最強のクランは何処だ!
フィールドに拠点を作り、拠点を守り奪取して勝ちをつかみ取れ!
詳細はここをクリック!』
何だ? フィールドウォール? 町転移が不可能?
「転移、セロ」
第零の町セロに転移しようとするが、できない。
なるほど、町転移が不可能とはこのことか。
ではフィールドウォールとはなんだ?
もしかしてあれか、あの透明な壁の事だろうか。
例えば第一の町ウノの場合、行ける場所に限りがあった。森の一定の奥深くに行こうとすると、透明な壁に当たり進めなくなるのだ。
あれが撤去されたとなれば、全てのフィールドがつながったことにも説明がつく。
すなわち町でエリアごとに分かれていたのが繋がった訳だ。
今まで職業で転移師とかいう謎の職業があったが、これをみこしてのことだったのか?
町と町の転移には転移、町の名前で転移できたために最大の不遇職と言われていた転移師がここからは活躍しそうだ。
町はざわめき、色々ぼやく輩がいる。
俺は玉座に座りながらそれを聞いていた。
まぁ、分からんでもない。
いきなりゲームの仕様が変わったようなものだからな。
となるとあのアイテムが高騰するかもしれない。
俺は町の道具屋にとあるアイテムを買いに行った。
それは捻りのない名前のアイテム、転移石だ。
解放されている町に転移できる、お値段1000G。
これがないと次からは転移できないという事だろう。
今までは称号が無くても解放されている町、(最前線の町)に転移できるため初心者をつれて上級者が高レベルのフィールドでパワーレベリングをする際にしか使用されていなかったものだ。
俺は道具屋に頼み込んで、あるだけ全てを買う。合計で1000を超える転移石が手に入った。その代わり道具屋の転移石は品切れとなった。
転移石の重要性に気付いたのか次々に道具屋にくる客。
俺はその客らを尻目に外に出る。
今は少しでも情報が欲しいな。
俺は掲示版を眺めることにした。もちろん玉座に座りセロを愛でながらだ。
一時間ほどして情報が集まって来た。
フィールドウォールは俺の予想通り、エリアを囲んでいた透明な壁の事でそれがなくなったらしい。
フィールドが広がったことでいきなり強い敵に遭遇したとか、ユニークボスらしきものと対戦したとか、様々情報が入って来る。
鑑定もちが調べた結果強い地域でレベル100ぐらいだそうだ。
これからは遠出する時は最低でもレベル100が必要になるということか。
問題ないな。
俺のレベルは今189だ。
第零の町セロでレベリングしたおかげでレベルは上がっている。
今では物足りない感じがするかがな。
ゲームの仕様も変わったことだし、俺は次の目標を据えていた。
それはクラン戦で勝つこと。
まずはクランを作ることだ。
クラン戦は詳細によると二週間後だ。
二週間後までに俺はクランを作り、クラン戦を勝利で納めるのだ。
そのためには拠点が必要だ。
拠点がなくてもクランは作れる。
今までのクランは集会所と呼ばれる場所を購入し、名前を付ければクランを作れた。
集会所は街中に対して、拠点は外に作るらしい。
拠点が外に作るという点から、掲示版では今のところ第一から第十の町までしか町が存在せず、町はこれからプレイヤーが作っていくのではないか? と言われている。
何にせよ、まずは拠点だ。
そこからクランの名前を作ればいい。
メンバーは俺一人でいいだろう。
いままでソロでやってきたんだ、今更群れる必要はない。
さて、では気になる拠点の作り方だ。
これは残念だが、今のところあまり判明していない。
唯一分かることは課金欄にすでに作ってある拠点増えたという事か。
村セットや砦セット、高いものでは空中要塞セットなどがある。
空中要塞セットだと!?
リボルバーという機械的な物を操る俺にぴったりじゃないか。
ぜひ欲しい。俺はクランの拠点を空中要塞に決めた。
だが、恐ろしく高い。課金で2億? 冗談じゃない。一学生に買えるわけないだろ。
クランを作り団員から金を徴収すれば超でかい所なら行けるどうかの境目かもしれんが、俺には無理だ。
だったらどうする?
ゲーム内通貨を集めて作ればいい。
そうと決まればまずは情報収集だ。
空中要塞の作り方を知るのだ。
ひとまず教官の所にいこうか。
教官は何でも知ってるからな、困った時の教官だ。
俺はギルドに向かって歩き出した。




