第三回武闘大会決勝戦
決勝戦の相手はイグサという女性プレイヤーだ。
二刀流の侍といった風貌で、第一回武闘大会優勝者だ。
WIKIによるとステータスはSTRとAGIの極振り。
スキルはこれまた速度を上げるものと力を上げるもの。それと感覚の強化らしい。
アーツは使用後の硬直を嫌って使わない主義だそうだ。
「貴殿とは一回戦ってみたかったでござる。しかしその傲慢はいただけないでござるな」
「こうでもしないと勝負にならないんでね」
「本当にそうか試してみるでござる」
こいつござるとかいうキャラなのか。
「いよいよ決勝戦です。どちらかが勝つのでしょうか! ここで選手紹介と行きましょう!」
選手紹介か。かっこいい紹介にしてくれよ。隻眼の孤高のガンマンとかどうだ?
「一人目は舐めプでここまで勝ち上がって来た厨二病のガンマ選手です! その実力はいまだ未知数! 二人目は順当に敵を切り裂いてきた侍キャラのイグサ選手! そのプレイヤースキルはガンマ選手に通じるのか!?」
俺の紹介が気に入らないが、GMのギーマは俺が格上だと紹介しているからいいとしよう。まぁ、鑑定とかで俺のレベルが見えているだろうしな。
「むぅ、まるで拙者が挑戦者みたいな紹介でござるなぁ」
すこしふくれっ面でぼやくイグサ。
「GMにはレベルが見えているだろうからな。お前は俺よりレベルがしたって事だ」
「一応95という現最高レベルを自負してるでござるが」
「残念だが、俺のレベルは120だ」
「なっ!?」
驚愕の表情をするイグサ。くくく、すました顔で高レベルだと教えるのは、気分がいいぜ。
「それではお待たせしました。決勝戦開始ぃぃぃぃいいいいい!」
ギーマの合図で始まると同時にイグサが足を踏み込んで俺に迫る。
イグサの一刀目を避けながら葉巻に火をつける。
すぐに二刀目が来るがこれも避ける。
それなりに速いし、避けにくい剣筋だがそれだけだな。
この調子だと気を抜かなければ余裕だろう。
それは葉巻が吸い終わろうとしたとき終わった。
「エクストラアーツ、オーバードライブ」
一気にイグサの速度が上がった。
青い白く輝く粒子をイグサが纏っている。
一刀をイグサが振るう。
一刀を躱そうとするが、予想以上の速さだ。
避けきれない。
スパッとイグサが切る。
切られた葉巻が消滅する。
「面白れぇ! セロ、飛んでな!」
速度は俺に並んだ。
セロがにゃーと鳴いて俺から離れる。
俺は二丁のリボルバーをホルダーから抜く。
そしてイグサの一撃をよけながら撃つ。
「!」
一つを弾くが、もう一つはイグサの目に当たった。
バリンっと音がして、おそらく身代わりアイテムが砕ける音がする。
ここで俺にずっと迫るだけだったイグサが下がった。
さらに銃弾を撃つ。
次は一刀で一つ防いで、もう一刀でもう一つを防ぐ。
「楽しくなって来たぜ!」
そのまま銃弾を撃ち、イグサがそれを弾く。
弾を防ぐとき火花が散るのがこれまた面白い。
俺の攻撃にイグサは防戦一方だ。
だが、イグサは必ず俺に隙が出来ると思っているだろう。
その瞬間はすぐに来た。
弾切れだ。
その瞬間にイグサが半歩を踏み出し俺に刀を振るう。
俺は銃を捨てる。
そのまま落ちていく銃はインベントリの入り口に吸い込まれていき、インベントリの闇に消える。
そして俺はコートから銃を取り出す。
一発撃つ。
それを切って防ぐ、イグサ。
俺のテンポが崩れた。
イグサに防戦一方を強いることは出来ず、僅差の勝負になってきている。
俺が銃を捨てて、コートから銃を取り出すたび、俺のテンポが遅れてイグサが優勢になっていく。
だが、イグサの顔は険しい。
イグサのエクストラアーツ、オーバードライブは体力削っている様だ。体力が微量から減らないからそれで死ぬことはないんだろうが、時間制限はやはりあるだろう。
焦っているのが手に取るようにわかる。
もしオーバードライブが切れれば俺に勝ち目はないからな。
このままオーバードライブ切れを狙っていいんだろうが、それは俺の美学に反する。
俺は最高潮の相手をその上からたたきつぶす。それでこそかっこいいというものよ。
俺は弾切れの際に、三丁銃を抜いた。
ここで大道芸をした経験が生きた。
俺は一丁を上に回転させて投げる。
その間も相手に撃つのを止めない。
イグサが俺の連撃を防ぎながら攻撃してくる。
コツを掴んだな。
だからと言って負けるつもりはないがな。
さらに弾が切れる。
そこで俺は銃を捨てるが。前に投げ捨てた。
「しまった!」
イグサが条件反射で銃を切る。
耐久値が無限の銃は切られずに明後日の方向へ飛んで行く。
そこに俺が投げた一丁目の銃が降りてきた。
計算通りだ。
「チェックメイト」
俺はとどめの一撃を撃つ。
やけに銃声が響いた気がした。
イグサのHPバーは俺の一撃で砕け散った。
「試合終了! 優勝者はガンマ選手ぅぅうううううう!!」
試合が終了した。クルクルと俺は銃を回しながら、ホルダーにしまう。
「にゃー」
セロが切られて明後日の方向に飛んで行った銃を持ってきてくれる。
俺は頭をひと撫でしてから、セロが持って来くれた銃をインベントリしまった。




