チュートリアル
「おお、ここがVFOの世界」
俺が最初の都市、ウノに降り立っていた。
どこかの広場の様だ。
煉瓦造りの街並みはまさに中世のようで、ファンタジーの世界にやって来たと自覚させる。
そして何やら視線を感じる。
他のプレイヤーだろう。他のプレイヤーはあまりアバターをいじってないようだ。
どうせならかっこよくすればいいのに。
俺位アバターをいじっているのはおらず、非常に目立っているようだ。
かっこいいから仕方ないな。
さて俺に待ち合わせをしている知り合いなどはいない。
さっそく冒険に出かけよう。
と言いたいところだが、初期装備に弾はないのだ。
そう、ガンナーが不遇職の理由の一つ。初期装備に弾がなく、最初の町で手に入る弾は一種類だけというもの。
最初の町で手に入る弾は初心者の弾というもので威力が最低の代わりに、インベントリに入れとけば無限に増えるというものだ。
手に入る場所は一つ、ギルドのチュートリアルクエストの報酬である。
なので俺はさっそくギルドに向かった。
ギルドの場所はあらかじめWIKIで予習済みだ。
ギルドの中は人でいっぱいだった。
長蛇の列でクエストを受けている。
受付嬢のお姉さんがせわしなく動いていた。
皆がやっているクエストはギルド登録クエストだ。ビッグラットを五匹狩って来るというもので、クリアすればギルドに登録できる。
ギルドに登録すれば、他のクエストを受けることができる。
ただ狩りをするよりもクエストを併用した方がレベル上げも金策も効率がいいので、皆そうしているのだろう。
だが、俺の目的はここではない。
奥にある訓練所だ。
ここでは武器や冒険者のチュートリアルを受けれる。
このチュートリアルクエストは別に冒険者ギルドに登録しなくてもできる。
ほとんどの人はチュートリアルやるんだったら、狩りに出るわ! という人でチュートリアルクエストは人気がない。
それでも初日というだけあって訓練所はチュートリアルクエストを受ける人でいっぱいだった。
俺は銃の訓練場所に行く。
銃の訓練場所は結構がら空きだった。
銃は不遇ということで人気はないらしい。
俺以外には三人しかいない。
その一人は
「俺が銃の教官だ! よろしくな! いやー銃の講座を受けに来る人がいるのって一年ぶりぐらいかね!」
NPCの教官という始末だ。
というかNPCにも銃の人気ないのか。
まず俺らは教官に軽い銃の説明を受けた。
ピストルとかリボルバーとかライフルとかの説明だ。
何の因果か俺らは全員武器が違っていた。俺がリボルバーで、もう一人の男がピストル、もう一人の女がライフルだ。
その後に実際に弾を渡されて的を撃つ訓練を受ける。
「手はまっすぐに伸ばして、目線を合わせてだな、よく狙って撃つんだ」
俺は指示に従い、俺の初期装備のリボルバーの銃を撃つ。
六発入りで六発撃ってみたが十メートル先の的に一発も当たらなかった。
他の二人は二、三発当ててた。
ぐむむ。
「まぁまぁ、焦るな。ここなら時間があるんだからよ」
教官にそんなことを言われる。訓練所は時間流れが外の半分になっているのだ。つまり普通なら一時間の所、ここで過ごせば二時間に過ごしたことになる。
ただ、敵が出てこないから武器の練習をするだけの空間だ。
それなら外に出てモンスターを倒しながら、鍛えたほうが効率がいい。
この訓練所も三日もすればどこも人がいなくなるだろう。
「さて、とりあえず基礎講座は終了だ! お疲れさま」
そのあと俺が何とか弾を的に一発当てたところで、チュートリアルは終わった。
俺たちは初心者の弾を貰う。
終わったところで、俺は教官に呼び止められた。
何だ? 俺は早く外に出てモンスター相手に無双したいんだが。
他の二人はそそくさと外に出てしまった。
「お前さんを呼び止めた理由だがな。お前このままじゃビッグラットにも勝てずに死ぬぞ」
「それはどうかな? 俺の力にかかればビッグラットなど一撃」
「いや、三十発撃って当たったの一発だけじゃねぇか」
「うっ」
痛いところを突きやがる。
「だが、近距離で撃てば問題ない」
「耐えられてビッグラットの反撃喰らって死ぬのがオチだな」
「ぬぬぬ」
「お前は他の二人と違ってド下手だから、訓練を受けていけ。ただでさえ銃は扱いが難しいんだ」
教官の言う通りにするのは癪だが、たしかにこのまま外に出てもビッグラットに勝てないのが分かりきっている。
それに初日だから町の周りは人でいっぱいのはずだ。狩場はもうとっくに占拠されているかもしれない。
そう考えると時間の流れが遅いここで、訓練した方がいい気がする。
俺は訓練を積むことにした。