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強襲

 俺は今入りくねった街並みの先にある寂れた酒場の前にいた。

 ここが奴ら黒い果実のアジトだ。

 酒場の名前はブラックアップル。まさに黒い果実のアジトに相応しい名前だ。

 俺は扉を蹴って中に入る。

 中には酒を昼間から酒を飲んでいる男たちで溢れかえっていた。

 人数にして二十人ぐらいか。

 店の外にまでバカ騒ぎが聞こえていたが、俺が扉を蹴って入ってからは静まり返っている。

 

「おやおや、乱暴なお客さんだ。何様かな?」


 酒瓶を持った店のマスター的人物が俺に話しかける。


「ザクロという人物とその取り巻きの情報を寄越せ。そうすればお前らは見逃してやる」


「何を言い出すかと思えば、立場が下なのは君だよ。まぁ、だがいい。情報料を払えば情報は渡そう」


「そうか」


 俺は懐から銃を取り出す。

 

「情報料は鉛玉でどうだ?」


 そういって俺は店のマスターの顔すれすれに弾丸を撃つ。

 それを見たマスターは一瞬、真顔になった後、笑った、そしてきれた。


「はっはっは。満足に帰れると思う名よ小僧。鑑定したところレベルは50、こちらの平均は100レベルだ。私は雑魚だがね。やれ、お前ら。簡単に殺すなよ。レベルを1にしてやれ」


 マスターが手を上げて合図を出す。一斉に立ち上がる客、いや闇ギルドの構成員たち。

 近くの奴が、ナイフを俺に振りかざしてくる。

 速い。

 だが、教官には程遠いな。

 俺は最小限の動きで躱す。

 同時に目に銃を突き付けて撃つ。

 さすがにレベル差が50もあるだけ合って、一撃ではやられない。

 相手が動く前に二発目をぶち込む。

 と同時に俺のコートからの中から銃を持った悪意の(エビルブラッソ)が出てくる。

 もう片方の目に弾丸をぶちこんだ。

 これでもまだ消滅しない。レベル差は顕著だな。

 俺は一旦その場から離れる。

 そこを狙って違う奴が剣を振るうが俺はその方向を見ずに回避する。

 回避している間に最初に撃った奴に追撃を駆ける。

 二丁のリボルバーで二つの弾丸を狙う。

 命中し、そして


「ぐっ」


 小さな声を上げて一人が粒子となって消滅した。

 モンスターを倒した時と同じ現象だ。

 

『称号 悪人殺し を取得しました』

『称号 下剋上 を取得しました』

『称号 超下剋上 を取得しました』

『クエスト 支部潰し・黒い果実 が始まりました』


 何か手に入ったと同時に始まった。

 だが今の俺には関係ない。

 俺を囲むように周りが動く。

 俺はその場で回転しながら、影人形(シャドーマリオネッター)の腕と悪意の腕を出現させ、目に弾丸を命中させていく。

 相手が切りかかって来るのを、華麗に避ける。避けながら相手を撃つ。

 舞うように動き、全ての攻撃を躱し、カウンターを決める。

 十秒。

 十秒で、マスター以外の人間は消滅していた。


「な、なん……」


 驚きの声を上げるマスター。

 その時だ。

 店の奥から、一人の男が出てきた。

 黒いボロ布をマントにして、あごひげがじょりじょりしてそうな男だ。

 

「おいおい、人が気持ちよく寝てんのにうるさいんだよ。誰だお前」


「俺の名はガンマ。ザクロとその取り巻きを探している」


「ザクロ? 誰だそれ? マスター知ってるか?」


「ああ、構成員の下っ端だ。まだレベル100にもなってない雑魚だがな」


「それはマスターもだろ、ん?」


 そう言うと男は当たりを見渡す。


「うちの連中はどうしたんだ? 任務か?」


「俺が全員殺したよ」


 俺が疑問に答える。

 

「あ? そうか、さっきの音はお前が部下を殺した音か。なるほどなるほど」


 そう言うと、男は腕を組む。


「俺の名はザック、偽の名前だがな。鑑定してみりゃレベル50じゃねか。そのレベルでうちの連中を全員殺すなんて、気に入った。お前、うちのギルド入れよ」


 返事は弾丸で返した。

 だが、ナイフで弾丸は弾き落とされた。


「残念」


 一言だけだった。

 戦いはとうに始まっている。

 俺は二丁拳銃で奴の目と喉を狙う。

 すべて弾き落とされた。


「これでも支部長任されててな。お前に負けるわけにはいかんのよ」


 俺はこれはアーツを封印させたままでは不可能だと判断し、左目の眼帯を外した。

 同時に銃を上に回転させながら投げる。ショルダースピンアクションだ。弾は補充された。

 と同時に俺はコートの中から悪意の腕に銃を持たせて撃つ。

 その数20。

 俺の手も合わせると、その数22。

 合計で22発の弾丸が奴の急所を狙う。

 奴は二刀のナイフでそのほとんどを弾き落とした。

 だが、三発は奴の急所に当たった。HPバーが表示されないが確実にダメージは入ったはずだ。

 急に奴の姿が消えた。

 瞬間移動だ。

 先読みスキルと危機管理スキル。そして教官が使っていた影の場所にワープするスキル。

 似たようなものだろう。

 奴が後ろに出現するのが見なくても分かる。

 俺はその場で回転しながらジャンプする。

 相手の攻撃ははずれ、回転しながら弾丸を一方的に浴びせた。

 一気に総被弾数は25になったはずだ。

 俺は天井のランプに足を引っ掛ける。

 天井にぶら下がったまま奴に向かって弾丸を撃ちまくる。

 奴はナイフで弾を弾くが、少しずつ被弾していく。

 

「そのレベルで、その動き、化け物かよ! だが弾切れだろ」


 奴の言う通り22丁のリボルバーの玉が切れた。

 俺は回転させながら、リボルバーを落とす。

 ショルダースピンアクションにより弾は装弾された。

 それを俺の影から現れた影人形(シャドーマリオネッター)が受け取る。

 一瞬でザックは俺の影に囲まれた。

 さらにコートから銃を取り出す。

 合計40丁の銃がザックに向けられた。


「おいおい、マジか」


 奴が驚きの声を上げる。

 全方位から奴に向かって撃つ。

 奴の姿が消える瞬間移動だ。

 だが、それは織り込み済み、バウンドバレットで奴の転移先に弾が行くよう調整しておいた。

 さすがにすべてが急所に行かなかったが、無数の弾丸がザックに被弾した。

 転移を繰り返し、俺に攻撃を仕掛けてくるが、俺は全て先読みし、躱しながら一方的にザックに攻撃を当てる。

 百発は急所に当てたがザックは消滅しない。

 とそこで、ザックの数が一気に十人に増えた。

 エクストラアーツか。

 

「さすがに十人は捌ききれないだろ」


「お前ぐらいなら75人まで捌ききれる」


 教官はザックより強かった。さらにその数は影人形で最大75人という多さだ。俺でも五分持つので精いっぱいだった。

 俺は敵の攻撃を回避しながら反撃し、うまくスタミナ調整をしながら、踊るように相手にダメージを与えていく。

 十人に増えたザックはスピードが上がっていたが、教官より下だ。

 俺が後れを取るはずがない。

 

「はぁはぁ、なんてこった。俺が負ける?」


 ザックのエクストラアーツが終了したのか、ザックは一人以外は消滅した。

 さらに奴はスタミナを使い切ったのか、おそらく疲労困憊状態に陥っている。

 HPバーが見えず状態異常アイコンも見えないので分からないが、息切れしてるし間違いないだろう。

 疲労困憊状態ではスタミナが全回復するまでの時間の間、何もできないという状態だ。

 つまり無防備。


「遺言ぐらいは聞いてやる」


「所詮ここは闇ギルドの氷山の一角に過ぎないってことを覚えておきな。お前はいずれ闇の深さを知るだろう」


「そうか。じゃあな」


 千を超える弾丸が奴の急所に命中した。

 奴が粒子となって消える。

 

『称号 究極下剋上 を取得しました』

『クエスト 支部潰し・黒い果実 が終了しました。

 称号・ボーナス・アイテムを取得しました』


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