ユニークキャラ交流会
ユニークキャラ交流会が始まる五分前に俺は教官との訓練を終えて第二の町ドスに来ていた。
マップを頼りに情報通の集まりのクランの集会所を目指す。
そこは大通りから少し離れた場所にあり大きめの家だった。
壁に立て掛けられたブラックボードには『本日ユニークキャラ交流会開催! 参加自由!』と書いてある。
扉を無造作に開けると、中には大勢の人がいた。
家具類はおいておらず、皆が立って話し合っている。
俺は壁際に陣取り、玉座を出して座った。
葉巻を取り出し、口にくわえてマッチで火をつける。
眺めるとユニークキャラ交流会とだけあって様々なユニークキャラがいる。
パジャマ、農民、薔薇の刻印が付いた鎧を付けた奴、魔法を使いそうな爺といった見たことある奴から、死神の格好をしたやつ、上半身裸で下半身装備が肌色のズボンの奴、ピエロの格好をしたやつ、五色そろっている戦隊みたいなやつら、天使の輪っかを付けた奴、とコスプレ会場かと言いたくなる状況だった。
葉巻を吸って玉座に座っていると、パパラッチがやって来た。後ろには大会で見たことのある男がいた。たしかドラゴヌとかいう奴だったか。幼い少女に負けていた奴だ。
「こんにちは! 来てくれてうれしいですよ」
「誘われたからな。暇つぶしだ」
「俺の事は覚えてるか? 大会で一応会ってるんだが。ドラゴヌだ、よろしく」
そう言ってドラゴヌが自己紹介する。
「一応情報通の集まり、このクランのリーダーやってる。後自称検証班のリーダーって名乗ってる。今日は色々ユニークな奴らが来てて検証のし甲斐があると思ってるんだ」
「俺の事も検証しに来たという事か」
「そういうこと、俺的には一番君が謎なんだよね。色々計算してみたけど、実力と行動が釣り合わない。目撃情報から訓練所にずっと籠っていたころから一日たらずでレベル20相当になってると推測されるが、訓練所でレベルは上がらないし、一日で1からレベルを20相当に上げるなんて不可能だ。それにガンナーはレベル9までしかアーツが確認されていないし、確認したい。もちろん情報を貰うんだからそれなりのお礼はするよ」
検証班と名乗っているだけ合って、調べないと気が済まないらしい。単純なからくりなんだがな。
別段隠すことでもないし、俺はドラゴヌに俺の情報を教えた。情報料として50万Gを貰った。
「はぁ~、訓練所でそんな効果があるとはね。それにあのプレイヤースキルはアーツに頼らないものだったのか」
(こいつさらっといったけど化けもんだな)
ドラゴヌの心情など知らず俺は葉巻を吸う。ブドウ味だ。
「あんた情報通の集まりのリーダーをやっているということは情報を持っているという事だろ。欲しい情報がある」
「ほう、情報をほしがる奴には見えなかったが、何かな?」
「ザクロというプレイヤーの情報だ」
「……なるほど」
そういうと俺は二階の個室に案内された。
ドラゴヌと二人きりだ。
「ここに呼んだってことは、ザクロはPKで間違いないという事だな」
「ああ、半分半疑の情報だったが、お前からザクロの情報が欲しいと言われたしマジなんだろう。本戦出場者で一番狙われやすいのはお前だろうしな。HP1だし、クリティカルポイント隠せば敵じゃないし」
「御託はいい。情報を寄越せ」
「まぁ、本来はタブーのステータスやスキルの情報まで教えて貰ったんだ。ただで全て教えよう」
太っ腹だな。
「これはザクロを気にいらないものがと思われるものがうちに流してきた情報だ。やつは闇ギルド黒い果実に所属していると」
闇ギルド、WIKIに乗っていたな。PKや犯罪系のプレイをしたければ入るのが吉と言われているギルドだ。
掟やルールが存在し、縛られる反面、犯罪系ならゲームを有利に進められるとか。闇ギルドの情報は余りWIKIには載っていない。犯罪系プレイヤーは情報を出しても得をしないからだ。むしろ自分の首を絞める行為かも知れない。
「黒い果実は一の町ウノの貧民街の地下に拠点があるらしい。正確な位置も分かっている。場所は……」
教えられた場所をマップ機能で登録しておく。いつでも襲撃できるようにな。
「おっと、場所を教えたが襲撃しようとか考えるなよ。それをやった馬鹿が高レベルNPCにフルボッコにされたからな」
考えを読まれていたか。
「警告どうも。今はいかねぇよ」
「そうか、ならいい。情報では金、アイテム、装備、奪われた上にレベルまで奪われたって聞いたからな」
今はな。俺を襲ったPKの一人は恐らくザクロだ。俺は必ず奴らに復讐する。やられっぱなしは趣味じゃないんだ。
その後は、ユニークキャラ交流会に戻り、俺は近寄ってくるプレイヤーと適当に話しながら、ユニークキャラ交流会の時間を過ごした。




