美恋は…天?
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それから40年後のこと、私は老人となり美恋は最初に会った時から全く変わらない姿で私の妻として暮らしていた。
「最初さん付けで告白されたのはびっくりしたわ。」
「それ…新婚旅行の時も言ってたよ…、あの時は凄く緊張していたんだ仕方ない」
「あれからもう40年経ったのよね…色々ありすぎて忘れていたわ…」
「時の流れは早いもんだ私も74歳だよ…そろそろ寿命が近くなってきたようだ…」
「いいえ 貴方は後2年位は生きれるはずよ」
悲しそうに美恋が言う。
「いいや人の寿命は短いもんだ。もし私が美恋に救ってくれなかったら私は今日まで生きていないはずだよ…」
「貴方に聞きたいことがあるの、
貴方は何故あの時自殺しようとしたの?私はそれだけが分からないの…」
そういえば今までずっとそのことは、話さなかった、いや話せなかった…
「私はね…あの時君に会いたかったんだ…だから小説を書いた…けど、いくら想像して書こうが美恋みたいな私が理想とする女性は多分いない…いや、居たとしても私なんか相手にせず…もっと良い男性の所に行ってしまうんだろう…。
理想の人すら見つからなくて、誰にも相手にされないのならこの世界で生きる意味なんて無いかなって…、
その時に人生に絶望した私を助けてくれたのが美恋 君なんだ」
苦しくて言える言葉は少ないのに、思い出よりも彼女への感謝の気持ちしか出てこない…。
「私のことを幸せにしてくれて
こんな駄目な私のことを必要としてくれて
嫌なことがあったら大丈夫だよ、と沢山慰めてくれた
そんな美恋と一緒に居れて、本当に私の人生は幸せだった…
君は私にとって私を救いに来た、美しい天使のようだった…」
どうやらもうだいぶ寿命が近いようだ 美恋を見る 泣いているのかな?笑っているのかな?もう分かんないや…
「こんな時で本当に…御免なさい、今だからこそ目と目を合わせて見て言えるの、私は海風 望さん私は貴方が大好きでした…」
「私も美恋が大好きだ…、ごめんね…美恋 先に冥界で待ってるよ…」そう言うと私の視界は真っ暗になっていき美恋が見えなくなった…。
美恋は沢山泣いた…。
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ここは天界 天使達が暮らす場所…「どうしたミレアドレーネ今回はそんなに落ち込んで 」
天界での私の名前が呼ばれた。
「お父様…海風さんは天界に来れるのでしょうか?」
「何⁉︎人間と天界で暮らしたいだと…何を血迷ったことを言うミレア!」
ああ…お父様には何を言っても伝らないのだろうかあの人間の良さを…
「お前も天界から地上に3回降りて分かったのだろう?人間なんて屑と落ちこぼれしか居ないと、あんな昔の神が作った失敗作と一緒に暮らしたいだと…」
「確かに2回とも屑でどうしようもない人間だった…、
けど海風さんは違うの!
2人の人間は私が理想の姿で降りた瞬間沢山嫌な言葉を掛けてきた嫌な思いも沢山した!
けど海風さんをそんな人達と一緒にしないでよ!」
私は心の限り精一杯叫んだ。
「そこまで言うなら呼んでやろうではないか、お前が恋した人間とやらを」
その言葉と同時に私の目の前が光りだした。
「美恋…?私は確か寿命が来て死んだはずなんで若い頃の姿に…あれ?美恋 頭に輪っかなんてついてたっけ?」
やっと光りが収まり前を見るとそこには私が、今世界で一番会いたかった人物がいた…
「あ!そっか美恋は天使だったのかだから全く年をとらなかったんだ 」
「私に会って最初の言葉がそれって何よ…」
と言いながらも私はお父様の目も気にせず彼を抱きしめ口づけを交わした
「お父様…私天界を追放されても良いから…望と一緒にずっと暮らせるのなら私はそれでも構わない!」力強い声が出た
まるで彼が春咲に殴られかけた時のような…
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「良かろう我が娘…そこまで言うなら仕方あるまい」
本当は涙がでそうだった、 娘を恋愛の神と任命し 人間の駄目さを学ぶ為に地上に行かせた時心配なことがあったもしかしたら、地上の人間の誰かと恋に落ちてしまうのかも… そんな心配だ。
今まさにそれが現実となってしまった、娘は彼の事を本気で愛している。もう私には止められない、私にはそれを止めることは出来ない…
止めれば私の前で娘が死ぬそんな予感がした…
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「お父様私はもう行きます。地上に降り立ち海風さんと一生人間を見守ります」
「私も美恋と同じ覚悟です」
「ああ…良かろう勝手にするがよい」
本日恋愛の神が2人に増える彼らはずっと仲良く暮らしながら いつまでも いつまでも…人間を見守っている…
「また一緒に笑って暮らせるね」
と2人分の声が空に響いたのだった…。
最終話 完
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