大変な日(前編)
私は彼女に救われた3 前編
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偶に現実でこれは夢ではないか?と思うことはないだろうか、そう今まさにそんな状況だ
美恋と暮らし始めて5日目の朝彼女は料理が出来るようになっていた。
「あら望起きたのおはよう」
「ああ…おはよう!」
ふとテーブルを見ると日本人の3大料理といっても過言ではない、白ご飯 味噌汁 焼き魚 が並んでいた。
「美恋…誰に習ったんだい?」 「ん?本を見て作ったの何か間違ってた?」
「いや何も間違ってなんかいない…」
「じゃあ一緒に食べましょ」と椅子に座った。
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「いただきます!」
そんな声が2人分食卓に響く、私は初めに味噌汁を飲んだ、少し薄い気がした 魚を食べてみた軽く塩が効いていてとても美味しかった。しばらく食べていると
「望感想は?」
と聞いてきた、
「とっても美味しいよ、作ってくれてありがとう美恋」
私は笑顔でそう返答した。
食後一緒に食器を洗っている時に、前に(また遊びに行きたい!)
と美恋言ってた事を思い出した。
「美恋どっか行きたい所はある?」
「望の行きたい所」
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「とゆう訳で彼女を連れて、電車でやって来ました〜デパート!」
(今日はやけにテンション高いね…)
日曜ということもあってかかなり混雑していた、何処の店に行こうか迷っていると家に美恋の服が一つしかないことを思い出した。
今までは毎日洗って同じ服を着せていたが、女性にそんなことを続けさせるのは少々罪悪感を感じていた。
「じゃあまず最初に服を買いに行こうか」
「私は別に同じ服でもいいんだけどなー」
彼女は私の意図が分かったようだ何故…、理由を考えていると服屋に着いた。
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「この服とかどう?」
何故か甘い香りがする店内で私は美恋の服を選んでいた。
「何でもいいわ」
彼女は女の子にしては全くオシャレに興味がないようだ…
(私は美恋以外の女性と話したことがないが皆んなこんな感じなのか?)
周りを見渡すと店内に居る殆どの女の子が、試着してみたり似合うかどうか聞いたりしている。
「とりあえず着て見てくれ」
と私はライトブルーのワンピースを持って、彼女を試着室に連れて行った。
「覗いたら駄目だよ!」
何処で学んだのか、定番の言葉を残し彼女はカーテンの中に入って行った。
それから10分後…
ライトブルーのワンピースに身を包んだ彼女が、部屋から出てきた。
「望どう…似合ってる?」
「あ、ああ似合ってるよ…」
見慣れたはずの彼女が少し変わっただけで、私は動揺してしまう少し情けない…。
そんなことを思いながら、私は彼女の服を2着分購入した。
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「さあ!次は美恋さんお待ちかねのゲームセンターです!」
「相変わらずテンション高いわね貴方…」
そんなやりとりをしながらしばらく歩くと前方に、色々なゲームが置いてあって看板にはクレーンゲーム本日100円と書かれてある場所が、
見えてきた。
「望あれがやりたい!」
と彼女が指をさしたのはまさしく、今割引中のクレーンゲームだった。
「お金あげるから好きなものをやってきなさい」
と私は彼女に1000円を渡した。
数分後、彼女は帰ってきた顔を見ると美恋は何故か泣いていた…。
「あのね…景品…盗られ…ちゃったの…」
「誰に?」「あの人よ…」
美恋が指したほうこうを見ると30代位の男がお菓子?を持って、
歩いている。
「おい!そこのお前止まれ!」
と言うと
その男はゆっくりとこちらを向いた、私はその顔を見た瞬間驚いた。
「何故お前がここにいる…」
それは4年前に出会った私にとって一番会いたくない人物だった…。
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「誰かと思えば4年前自分を拒絶した影内さんじゃないですか、久しぶりに会えたと思ったら、彼女まで連れているとはね。
私は君のことを助けてあげようとしたに女の子の方が良いとは」
「ネカマだったお前の話など聞きたくもない、早く景品を彼女に返すんだ、警察を呼ぶぞ」
私がそう言うと彼は突然殴りかかってきたのだ!その時だった、殴られる…。
そう覚悟した瞬間目の前の光景に私は驚いた、殴られたのは自分ではなく春咲だった。
やったのはもちろん、私ではなく
美恋だ…。
「私の彼氏に触れるな!」
その時の彼女はどうだったのだろうか、私の目には彼女が普段は、温厚な天使が怒ったかのように見えたのだった。しばらくしたら誰かが通報したのか警察がやって来て、彼は
逮捕されたもう二度と会うことはないだろう。
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「大丈夫望?」「あ、ああ大丈夫」
「じゃあ今日はもう帰りましょ、疲れたわ…」
相当疲れたのか彼女は、帰りの電車で寝っていた。私は、今日の美恋の変わりようを思い出しながら、家に帰った。
第3部 前編 完
サブタイトルにセンスがないのはお許しください…