表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/69

6.侵略の草

【スキル:『超音波』を手に入れました】

【称号:『スキル愛好家』を手に入れました】

【称号の獲得により、スキル:『スキル知識』がレベルアップしました】


 『超音波』を手に入れようと思ってから2日目の朝。やっと手に入ったよこのスキル。

 『音魔法』でいろいろと試しまくってたけど、全然超音波にならなかったみたい。同じ音だから簡単だろうと思ってたのに時間が掛かってしまった。


 でも、時間を掛けてでも『スキル知識』のレベルアップは価値がある。

 想像通り『スキル知識』のレベル2では、名前を知っていれば簡単だけど説明が出るようになった。細かい情報ではないけど、無いのとでは全然違う。

 スキルポイントを使って取るスキルを、博打を打たずに選べるのは良いことだよね。


 せっかくだから、色々とスキルを物色してみますか。面白いスキルがあれば取るのもありだしね。

 じゃあ、頑張ってQ&Aをしていこう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





 う~ん。欲しいと思うものがない。

 思いついたものを質問しまくってるけど、これと言ったものがない。ハッキリ言って自分には今のままでも十分なスキルがある。獲物なんかは動かずに狩れるし、草の自分を狙ってくるような相手もいない。

 

 そんなわけで、また『誘惑の香り』と『風魔法』のコンボで狩りをしている。改良版落とし穴も自分の前後左右と斜めに設置したから、香りを全方向に撒き散らしている。

 ……落とし穴?あっ!そういえば前に落とし穴に落としたレッドボア、吸収せずに放置してたよ。倒してからすぐに進化したから忘れてた。


 とりあえず香りコンボは止めて、と。どうしようかな?落とした後どうやって回収するか考えてなかったよ。

 『風魔法』を使ったら底にある棘がどうなるか分かんない。抜けちゃったりしたら差し直さないといけないんだよね。それはかなりめんどくさい。

 やっぱり新しいスキル取ろうかな?でも、使えそうなスキルは無かったような気がするし、ポイントがもったいないと思ってしまう。

 自分が動いて近づければ良いんだけど、草だから無理だ。根っこが地面に根付いてるし、進化してもそこまで大きさが変わらなかったから手?を伸ばしても届かない。


 ……根っこ伸びないかな?草なんだし根っこはどんどん伸ばせるはず。伸ばし方なんて分からないけど。

 伸びろ~、伸びろ~。と念じてみる。伸びてるのかな?五感がないし地中だから『音魔法』を使った感知ができない。


 『超音波』でも使ってみようかな。確か超音波で地中の様子を見れるとかあった気がする。地中でも『音波感知』が使えるかも確認しときたいし、地中から何かが近づいても分からないんだよね。モグラとか。

 『超音波』を根っこから出すようにして使う。すると今まで真っ暗だった地中に透明感が出てくる。

 空中を満たしている音波に対して地面を満たしていく超音波は、音波の伝わり方が違うからか違いがはっきりしている。


 で、肝心の根っこなんだけど少しずつ伸びている。さすがは植物、成長が早いね。このまま伸ばせば落とし穴まで届きそうだ。

 いっそのこと造った落とし穴の全部に伸ばしておこう。どこまで伸びるかとかどれだけ広げれるかを調べとけば、いつか役に立ちそうだしね。


【称号:『侵略者』を手に入れました】

【称号の獲得により、スキル:『浸食』を獲得しました】


 あ、称号とスキルが増えた。それと同時に根っこが伸びなくなった。どうやら限界みたいだ。

 それにしても『侵略者』って。いつ侵略したっけ?もしかして根っこ伸ばしたのが原因?

 『侵略者』の説明を見ると、獲得には他の生物の領域≪テリトリー≫を奪うのが条件らしい。他の植物の根っこの近く(テリトリー)を侵略したって扱いか。

 『浸食』は一種の状態異常を与えるスキル。その状態異常に名前はないけど、浸食しきった相手を操ることができる。


 『浸食』と似たようなスキルはいっぱいあったけど、このスキルの大きな違いは、相手に意識があってもなくても関係ないことだ。つまり生物でも非生物でも操れるようだ。

 しかも自分で造りだしたものは浸食済みだ。だからこうやって『想造』でロープを造れば、にょろにょろと地面を這うように動かせる。なぜ動くのかは気にしない方が良いんだろう。魔法なんてあるんだし生きてるロープがあっても、きっと不思議じゃない。


 ロープを落とし穴まで動かして、底の棘に刺さっているレッドボアに括りつける。

 このまま穴から出そうとしたけど、このロープだと重いものは持ち上がらないみたい。だから近くの木に『想造』で滑車を取り付けた。この滑車を利用したら持ち上がると思う。ロープを無駄に長く造っていて良かったよ。


 ロープを滑車に通して、通った部分を皿のような形にする。そこに上から『風魔法』で風圧を加えれば滑車が回り、反対側のレッドボアが持ち上げられた。

 ある程度持ち上がれば後は『風魔法』で運び、『吸収』する。


【スキル:『吸収』がレベルアップしました】

【スキル:『吸収』によって経験値を手に入れました。これによりレベルが上昇しました】

【スキル:『成長』がレベルアップしました】


 うむ。前よりも早く吸収できたし、自分のレベルも5に上がった。前と同じレベルまで上がったってことは『成長』が仕事してるんだね。


 この造ったロープは木の葉っぱがある部分に隠しておくとして、落とし穴の修復だ。

 修復と言ってもやることは蓋をもう一度付けるだけなんだけどね。下の棘も無事だったから楽に直せる。

 そして、落とし穴を直すために『想造』を使うと眠気が襲ってきた。ああ、MPが切れたのかな?だったらこのまま眠ってしまうか。

 今は日中だし、次起きるのは夜かな?それじゃあ、お休みなさい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





 おはよう。そして、こんばんわ。草です。現在は夜で、きっと月の光が周りを照らしているでしょう。

 起きたところで、これからやることを決めよう。今できることは香りコンボで狩りをするか、新しく手に入った『浸食』を使ってみるとかかな?

 いや、いっその事どっちもやっちゃうか。今は夜だからMPも回復するし、余らしてももったいないからね。


 てなわけで、香りを撒き散らしながら『浸食』を使ってみる。

 『浸食』を使っていると、自分の触れている土がロープを操ったときの感覚で動かせるようになっていくように感じる。

 少しすると周りの土は完全に浸食できたようだ。別に土を動かす予定はないし、問題はこの先。土は浸食できたけど、その土に根付いている他の植物は浸食できていない。

 少しずつは浸食してるけど、土と比べるとかなり遅い。これは気長に待つしかないね。


 『浸食』は維持しといて、香りコンボの方を気にしてみよう。

 さすがにまだ獲物は近づいてきていない。夜だから寝てる可能性もあるし、『風魔法』でもそんなに遠くまで風を操れないから届く範囲にいなければ効果は無いだろうからね。

 結局こっちも待つしかなくなったわけか。


 ステータスを見てみれば、MPは常に最大値近くで上下している。MPには余裕あるしもう一個ぐらい何かしてみようか。と言っても今でも大量に同時進行してるんだけどね。

 『音魔法』で地上を『超音波』地中を音波で満たして『音波感知』で周りの把握と、『誘惑の香り』で出した香りを『風魔法』で飛ばす。さらに『浸食』で他の植物を浸食している。ついでにほぼパッシブスキルのような使い方をしてるけど『光合成』も使っている。


 アクティブスキルだけでも6つとか、どう考えてもオーバーワークだ。これでも消費MPと回復MPが拮抗してるんだから、『光合成』がどれだけ有能なスキルか分かったね。


 おっと、感知範囲内に何か入ってきたようだ。入ってきたそれはまっすぐこっちへ向かってくる。どうやら『誘惑の香り』で誘き出されたみたいだね。

 しかし、一歩歩くたびに動きが遅くなっていき、その場に倒れこんだみたい。


【スキル:『睡眠攻撃』がレベルアップしました】


 あ~、もしかして寝ちゃった?『睡眠攻撃』はこういう時には不便に感じるな。

 仕方ないから今回は『風魔法』で止めを刺そうか。よく使う風の刃を生成して心臓の辺りに飛ばす。


【ホーンラビットを倒したことにより、経験値を手に入れレベルが上昇しました】


 初めて自分の手で意識して獲物を仕留めたね。まあ、動物みたいなもんだしゲームの世界じゃ当たり前だから、なんとも思わないね。

 今のレベルは7か。さすがにレッドボアよりも弱いせいか獲得した経験値も少ないみたいだ。


 後はいつものように吸収してしまおうかと思ったけど良いことを思いついた。この死体に『浸食』を使ってみればどうなるんだろうかと。

 生きている相手には抵抗されるけど、生きて無いのには簡単に浸食できる。この死体も簡単に操れるようになった。


【スキル:『浸食』がレベルアップしました】


 『浸食』は植物の浸食が終わったら上がると思ってたけど、今上がったね。


 さて、心臓を壊しただけだから動かすことには支障がないみたいだ。ただ、歩かせたりするのはかなり難しい。筋肉をいちいち制御しないといけないし、三人称視点で操ってるようなものだから。


【称号:『死者の冒涜者』を手に入れました】

【称号の獲得により、スキル:『魂攻撃』を獲得しました】

【称号:『死霊術師』を手に入れました】

【称号の獲得により、スキル:『死霊術』を獲得しました】


 ……あー、そりゃそうなるか。死体を操るとかどう考えても死者への冒涜だよねぇ。

 ここで取らなくても『浸食』使ってたし、いつかは取ってた可能性は十分にあったから、今取っておいてよかったとポジティブに考えておこう。


 さて、称号とスキルの説明だけど、まずは称号から。

 『死者の冒涜者』はその名の通り、死体や死者の魂に対して冒涜的な行為を働いたら手に入る称号。『死霊術師』は死体を何らかの方法で操れば獲得できる。

 次にスキルの方だ。

 『魂攻撃』は魂へと直接攻撃が行えるみたい。魔物の中には肉体を持たないのもいるらしいから、そういう相手には効果的だね。『死霊術』は死体を操ることができる。普通は『死霊術』を先に取ってから『死霊術師』を手に入れるのがよくある事のようだね。


 いやー。どんどん物騒なスキルと称号になっていくね。他人にステータス覗かれたら確実に悪い魔物扱いだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ