表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇帝の狼  作者: あかね
6/15

王位を継ぐ者

青年は心底驚いていた。

教育係が付くことは王位を継承する皇子にとって珍しいことではない、むしろ後継者として認められたと喜ぶくらいだ。

だが、青年は違った。

王位を継ぐつもりもなかったし、嬉しくもなかった。

だから、わざと教育係からにげた。

逃げたのは3人目で、これまであからさまに逃げれば他のものは5日位で自信をなくしていた。

だが、今目の前にいる教育係は自分が葵眞郢だと分かってわざとこんな態度を取っている。

自信とは違うようだが、皇子である自分の前でも全く余裕な態度をとるものだ。

しかも、見たところ年はそこまで離れていない、あって10の差といったところだろう。

「皇子が現れないことに苛立ちはないのか?」

ついつい聞いてしまう。

「…もちろん、かなり怒っていますよ。ただ、その価値すらないともおもっているので。」

教育係の笑顔は崩れなかった。

下手すれば死罪となるであろう発言だというのに。

「ならば、何故まだここにいる?」

「別に、それが私の仕事で、命じられた事だからですよ。」


あぁ、またおなじなのか。

そう思っていたが、違った彼は待っていた種類の人間だった。


「ただね、このままでは私と同じ苦しみを味わう人間が出るのですよ。…国の為王の為、そういった言葉で誤魔化すことも許されない。

それは、嫌なんでね、だからわざわざ嫌な役を引き受けたのですよ。」

この言葉は宵にも話さなかった天迅の本音だった。

皇子がこれをどう受け取ろうと構わなかった。

国を変える気がこれっぽっちもない皇子だったら切り捨てるつもりだった。

「天迅と言ったな。この国は変わると思うか。私は変われるだろうか。」

天迅は小さく目を見張る。

「変えるつもりがあるのなら。」

天迅の言葉は短かった。

だが、やる気のない皇子にその言葉をかけるものはいなかった。

「ならば私は変わらなければ…改めて自己紹介しよう。余は葵眞郢、前王の末息子で唯一の王位継承者だ。権力に目の眩んでいない貴方に今日からは王になるべく教えを乞おう。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ