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プロローグ
日本は20XX年、男子日本代表はサッカーワールドカップに優勝した。
数多の幸運を積み重ねて。
相手のオウンゴールに救われた試合もあった。芸術的なフリーキックの連続で流れを掴み一方的に攻めた試合もあった。際どいオフサイドが勝敗を分けた試合もあった。予選ラウンドで強豪国がまさかの敗退をむかえ。ノーゴールのまま試合はスコアレスドローに終わり、PK戦に突入したこともあった。
誰もが「奇蹟」だと言った。だが、選手や監督はどうであったか。信じていた、自分を、共に戦う仲間を、勝利という結果を。
もっとも、試合を決定づけたのは常に、降り注いだシュートの雨を凌いだ結果だった。
ワールドクラスのシュートさえゴールを割れない状態は人々の記憶に焼き付き、後に人々は日本のゴール前には神様がいると言い出した。
サッカーの神様、その名を守護神と。